豊洲市場の盛り土されず 都庁担当記者解説
築地市場の移転先・豊洲市場について、東京都は土壌汚染対策として敷地に「盛り土」をしたと説明していたが、主な建物の地盤で行われていないことが分かった。東京都庁担当の久野村有加記者が解説する。
東京都は土壌汚染対策のため、汚染された土壌の2メートル分を取り除いた上で、4.5メートル分の盛り土を行ったとしていた。しかし、実際には、食品を扱う主要な建物の地盤は盛り土がなく空洞になっていた。共産党都議団が調査をした際に撮影された水産卸売場棟の地下の写真では、盛り土がないため空間が広がっている上に、少し水もたまっていることが分かる。
小池知事は9日、この件に関する調査を指示していて、今月末から10月ごろと予定していた豊洲移転に関するプロジェクトチームの立ち上げを前倒しすることも検討していて、徹底的に調査する姿勢を示している。移転の延期は来年1月の地下水のモニタリング結果を待つ段階だったが、ここで新たな問題が出て再調査となると、移転計画がさらに遅れるおそれがある。
移転の延期で混乱している築地市場関係者だが、「もうたまらない。延期に続いてこれか」など困惑の声が出ている。