×

事業費1兆円投入も…「もんじゅ」廃炉検討

2016年9月13日 23:54
事業費1兆円投入も…「もんじゅ」廃炉検討

 日本の原子力政策が大きな転換点を迎えている。政府は、福井県にある高速増殖炉もんじゅについて、廃炉を視野に検討していることが分かった。

 福井・敦賀市にある「もんじゅ」は、文部科学省などが所管し、JAEA(=日本原子力研究開発機構)が運営する特殊な原発で、核燃料サイクルと呼ばれる原子力政策の中核に位置づけられてきた。

 NNNは12日、もんじゅを取材したが、事故などが相次ぎ、これまで22年間で稼働実績がほとんどない。運転中には閉じるはずの原子炉容器の巨大な蓋は取り外されたままで、中が見える状態だった。一方、原子炉を冷却する液体ナトリウムの装置などは動き続けていて、約160人の職員が維持管理にあたっていた。

 しかし、もんじゅを巡っては、原子力規制委員会が、JAEAの安全管理体制はずさんだとして、別の運営主体を探すよう求めている他、年間約200億円という巨額な維持管理費も問題視されている。

 これまでに1兆円を超える事業費が投入されているが、政府は、もんじゅの廃炉を視野に検討していて、研究は別の施設で続ける案を軸に、今後、関係閣僚会議で決定する方針。