「もんじゅ」警報鳴るも適切に対応せず
福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」で、トラブルを示す警報が出ていたにもかかわらず、約半年間も適切な対応が取られていなかったことが分かった。
日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖炉「もんじゅ」で、昨年11月、使用済み燃料プールの水質の悪化を知らせる警報が出ているにもかかわらず、約半年間、適切な対応が取られていなかったことが、原子力規制庁の検査で明らかになった。
原子力規制委員会・田中委員長「アラームが鳴っているのに対処しないのは想像を絶する。安全文化が根本から欠けている」
規制委員会の田中委員長はこのように苦言を述べ、原子力機構に「もんじゅ」を運営する能力がないことを改めて指摘した。
一方、原子力機構は会見を開き、手順通りの対応はできなかったが、水質の監視を行うなど、なにも対応していなかったわけではないと反論した。
不祥事が相次ぐ「もんじゅ」を巡っては、去年11月、規制委員会が、原子力機構には安全管理の資質がないとして、新たな運営主体を探すよう、所管する文部科学省に勧告している。