高速増殖炉“もんじゅ”廃炉を視野に検討
政府は、福井県にある高速増殖炉もんじゅの廃炉を視野に検討していることが分かった。日本の原子力政策が大きな転換点を迎えている。
福井・敦賀市にある「もんじゅ」は、文部科学省などが所管し、JAEA(=日本原子力研究開発機構)が運営する特殊な原子炉で、日本の原子力政策のなかで中核に位置づけられてきた。
NNNは12日、もんじゅを取材したが、1994年の運転開始後、事故などが相次ぎ、これまで22年間で稼働実績がほとんどない。運転中には閉じるはずの原子炉容器の巨大な蓋は取り外されたままで、なかが見える状態だった。一方、プラントを冷却する液体ナトリウムの装置などは動き続けていて、約160人の職員が維持管理にあたっているという。
しかし、もんじゅを巡っては、原子力規制委員会がJAEAの安全管理体制はずさんだとして、別の運営主体を探すよう求めていて、維持管理費だけで年間約200億円という巨額のコストも問題視されている。
こうしたことから政府は、もんじゅの廃炉を視野に検討していて、研究は別の施設で続ける案を軸に、今後、関係閣僚会議で決定する方針。