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運動能力緩やかな向上傾向~スポーツ庁

2016年10月9日 20:00

 スポーツ庁の調査で昨年度、高齢者の一部で体力や運動能力が過去最高となったことがわかった。

 この調査は、スポーツ庁が毎年6歳~79歳までの男女を対象に行っているもので、握力や上体起こし、持久走などの新体力テストを通して筋力や持久力を計り、現在のスポーツ習慣などと組み合わせて体力・運動能力を調べている。

 年代ごとの運動能力の推移をみると、ほとんどの年代で緩やかな向上傾向にある。特に65歳~69歳の女性と75歳~79歳までの男女は過去最高の結果となっている。その背景についてスポーツ庁は、この世代は1964年の東京オリンピックのころに運動をする習慣が根付いた人が多く、4年後のオリンピックに向け再び運動をする機運が高まったのではないかと分析している。

 一方で、30代の女性では全体的に低下傾向がみられ、仕事が多忙でライフスタイルが乱れたり、運動をする習慣が減ったりしていることなどが影響しているという。

 運動習慣に関する質問では、「週1回以上運動している」と答えた人が65歳以上の高齢者では、男女ともに70%以上にのぼり、15年前と比べて10ポイント程度上昇しているのに対し、10代後半から20代の女性は40%以下と減少傾向にある。

 また子どもの運動習慣と運動能力の関係についての調査では、13歳の男女の50メートル走のタイムを15年前、30年前と比較したところ、「週3回以上運動している」子どものタイムは、最も運動能力が高かった30年前の子どもとほとんど変わらないのに対し、「週3回未満」の子どもは30年前より大きく減少している。この結果についてスポーツ庁は、運動をする子どもとしない子どもの間で運動能力の差が大きく広がっていると指摘した。

 背景に少子化による地域のスポーツチームの減少や、親子間でスポーツをする機会が減ったことなどを挙げていて、今後運動不足の子どもたちへの対策を検討していくとしている。

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