なぜ吉祥寺で話題「へべす」とは?

「へべす」という言葉を聞いたことはありますか?実は、この「へべす」が、吉祥寺で流行しているといいます。どんなものなのか取材してみました。
■すだち、かぼすに似ているけれど―
約100の店舗が集まる駅前の商店街「ハーモニカ横町」。ここで莉子ちゃんが見つけたのは、「へべすサワー」と書かれた張り紙。その店の男性客のジョッキには、緑色の果実が入っていました。
「へべす」とは、丸くて緑色した柑橘類のこと。特徴は、強い酸味です。よく似た「すだち」「かぼす」と比べても、「へべす」は最も酸っぱいといいます。
また、みかんの風味もするその酸味を生かして吉祥寺のバー「BarBoga」では、へべすの果汁を炭酸水で割ってジュースにしたり、別の店では、サンマが入った和風チャーハンの最後の味付けに使われていました。
今では、約50の店でへべすが使われているといいます。では、なぜ吉祥寺でへべすが流行しているのでしょうか。
■仕掛け人がいました
カギを握るのは、吉祥寺で飲食店を経営する松江さん。この人が“へべすの仕掛け人”です。
松江さん「ぼくが吉祥寺の街の店に、へべすを配っています」「宮崎県の日向市に友人がいて、へべすっていうのがあるからぜひ持って帰ってと」
実は、へべすは宮崎県内でのみ栽培されている希少な柑橘(かんきつ)類。年間の収穫量は139トンで、かぼすの約40分の1ほどしかありません。ちなみに、この「へべす」という名前の由来は江戸時代に最初に発見した人が平兵衛(へいべい)さんだったからだそうです。
■へべすを生かしたアイデア料理
また、へべすは、かぼすの約1.3倍、すだちの約2倍の果汁率を誇ります。酸味を多く含んだたっぷりの果汁を生かしてこんな料理も―
(1)へべすご飯 (店名:じゅん粋)
熱々のご飯の上に、かつお節、ダシで作った氷、そして、刻んだへべすの皮をのせたシンプルな一品。最後に、へべすをまるごと1個分絞った果汁をかけます。ダシを温かいご飯で溶かしながら食べるそうです。莉子ちゃんがいただいてみます。
莉子ちゃん「ダシがよく効いていて、冷やし茶漬けみたいですね。へべすの香りがとてもさわやかで、いいアクセントになっています」
(2)へべすのマカロン (店名:A.K.Labo)
香りが際立つ果汁を生かしたスイーツもありました。輪切りのへべすが乗ったマカロンです。中にも、へべすの皮や果汁を使ったクリームと、特製のジュレが使われています。
莉子ちゃん「クリームは甘いんですけど、ジュレは酸っぱいんですよ。ほんのりとした甘みにすっぱい味がすごくおいしいです」
吉祥寺で流行する「へべす」。今後、さらなる広がりをみせるでしょうか?