厚労省、年金制度改正の試算を公表
厚生労働省は、現在、国会で審議されている年金制度の改正で、高齢者の年金額が3%減り、若い世代の将来の年金額は7%増えるという試算を公表した。
年金制度の改正案は、若者の将来の年金額を確保するために、今の高齢者にも「痛み」を分かち合ってもらうもので、年度ごとに年金額を決める際、物価が上がっても、現役世代の賃金が下がる場合は年金額を引き下げる仕組み。改正案が成立した場合、実施は2021年度からだが、厚生労働省は、新制度が2005年から10年間の経済状況で実施された場合の年金額の試算を17日に公表した。
試算では、今の高齢者の年金額は3%減り、国民年金では、1人一月2000円減り、厚生年金は夫婦2人のモデル世帯で一月7000円の減額。一方、現役世代の将来の年金額は7%増えるという。
野党は高齢者の貧困につながると改正に反対しているが、政府は、消費税を10%に引き上げる際、年金の少ない高齢者に月5000円給付する制度で支援すると反論している。