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「マイナンバーカード取得の世帯」限定で保育料など無償…条例 岡山・備前市が撤回 「強制だ」批判相次ぎ

2023年4月6日 1:11
「マイナンバーカード取得の世帯」限定で保育料など無償…条例 岡山・備前市が撤回 「強制だ」批判相次ぎ
岡山・備前市は、マイナンバーカードを取得した世帯に限定で給食費や保育料などを無償とする条例を今年度から施行していましたが、5日に一転して撤回しました。市民からは「カード取得の強制だ」などと批判が相次いでいた中での方針転換。市長はどのように説明したのでしょうか。

    ◇

岡山・備前市は5日、4日前に施行されたばかりの条例を一転、撤回しました。

備前市 吉村武司市長
「(給食費等の)無償化事業については、マイナンバーカード取得を要件としないよう制度を変更することといたしました」

子育て支援策として、これまで“一律無償”としていた「保育料」や小中学校の「給食費」などを、今回の備前市の条例では、今年度から「マイナンバーカードを取得した世帯限定で無償」としました。先月の市議会で、賛成8・反対7の僅差で可決されたものです。

国は、ほぼ全ての国民がマイナンバーカードを取得することを目指しています。備前市の交付率は、2月末時点で78.2%に達していました。

「広報びぜん」の2023年1月号で吉村市長は「市民全員にカードを取得していただけるよう啓発に努め、先進的なデジタル都市を目指してまいります」としていました。

“取得率100%”を目指すとしている吉村市長は2月、「全国どこの自治体もほぼ給食費を徴収しており、有償であることがスタンダードであります。したがって、本市の給食を有償に戻したとしても、なんらおかしい点はございません」と述べていました。

これまで、「強引なやり方ではない」との考えを示していましたが、市民からは「カード取得の強制だ」などと声があがり、5万人を超える反対署名が市に提出されました。

5日に撤回した理由について市長は、「先月29日に国からコロナ対応の地方創生臨時交付金を受けられることが決まったことで財源が確保できた」と説明しました。

備前市 吉村武司市長
「急きょ、我々はこれ(無償化)にあてていこうと決定した」

――(条件)“撤回もありうる”という答弁がなぜ今まで全くなかった?

備前市 吉村武司市長
「私どもは、市議会に誠実に全てお答えしております。例えば、インセンティブを考えて(マイナンバーカードを)とった方もおるでしょう。それはわかりません。ただ、(取得を)強制したことは一切ございません」

突然の方針転換に、備前市民からは次のような声が聞かれました。

備前市民
「(差別が生じず)子どもたちに悪い影響を与えないで済むといううれしさはある」
「無料になりたいと思ったら、作ればいいじゃない。それで解決するんじゃない?」

市長は引き続き、カードの取得を呼びかけていくとしています。

(4月5日放送『news zero』より)
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