話題の「ニホニウム通り」はこんなところ
「ニホニウム通り」がネットで話題になっています。12月2日、「ニホニウム通り」という言葉を含んだツイートが大きく伸びました。
「ニホニウム」は、理化学研究所の研究グループが2004年に人工的に作り出すことに成功し、化学者でつくる国際機関が「113番元素」と正式に認定しました。研究グループに命名権が与えられ、先月30日、「ニホニウム」という名称が正式なものとなりました。
元素は物質のもととなるもので、化学の教科書などには元素記号の周期表が載っています。実は、長い元素発見の歴史の中で、欧米以外の国で元素を発見したグループはありませんでした。
今回の新元素の認定と命名はアジア初のことなんです。研究グループは日本にまつわる名前をということで、新元素を「ニホニウム」と名付けました。
日本で見つかった元素が初めて元素記号の周期表に載ることになり、世界中の教科書などに「ニホニウム」の名前が載ることになります。
そんな「ニホニウム」の名前をつけた「ニホニウム通り」は、埼玉県和光市にあります。和光市は理化学研究所の研究施設があり、「113番元素」も、和光市の研究施設で人工的につくられました。
「ニホニウム通り」は、和光市駅から理研の西門までの長さ1.1キロの道のりです。ネット上では「通ってみます」「理研って和光市にあったんだ」「あの人通りの少ない道!?」といった反応がありました。
今回、取材班が「ニホニウム通り」を歩き、何人かの人にお話を伺ったのですが、残念ながら「ニホニウム通り」を知っている人はいませんでした。
「ニホニウム通り」になると、どのような整備がなされるのでしょうか。和光市・政策課の梅津さんに聞きました。まず、原子番号1番の「H」(水素)から元素記号113番の「Nh」(ニホニウム)の路面板を設置するそうです。
路面板は青銅製で、30センチ四方のものが約10メートル感覚で設置されます。最後の113番元素の路面板は120センチ四方になるそうです。
このほか、駅前には記念碑を、通りにはモニュメントも設置されるそうです。また、ニホニウム通りと分かるような横断幕やフラッグも設置すということです。
市は「ニホニウム通りによって、和光市が世界的な発見の土地であることを認識されれば、通りへの愛着も増え、知名度も上がるのではないか」と話していました。(解説:デジタル編集チーム・小林整司編集長)