韓国で来年度からの導入が予定されている国定の歴史教科書の原案が公開された。これまでの教科書に比べて慰安婦問題についての分量が増えている。

　韓国では教科書の検定制度が実施されているが、来年度からは、中学と高校の歴史教科書について、国が定めた国定教科書の導入を予定している。

　２８日に韓国政府が公開した国定教科書の原案では、いわゆる従軍慰安婦問題について日本軍による「強制性」が明記されている点では、これまでの教科書と変わらないが、資料が盛り込まれるなどして記述の分量が増えているという。

　韓国政府は「学生が周辺国による歴史の歪曲に対応する能力を育てられるようにした」としている。今後、この原案を元に意見を募り、教科書を完成させる予定。

　国定教科書の導入をめぐっては、野党を中心に強い批判がある中、朴槿恵大統領肝いりで進められてきたこともあり、朴大統領が窮地にある今、予定通り導入されるか、危ぶむ声もあがっている。