厚木基地騒音訴訟 原告ら5回目の提訴予定
神奈川県の厚木基地の騒音被害を巡る裁判で、最高裁は自衛隊機の飛行差し止めを認めた2審判決を変更し、住民側逆転敗訴の判決を言い渡した。
この裁判は、自衛隊とアメリカ軍が共同使用する厚木基地の周辺住民約7000人が、騒音被害を受けているとして国を訴えているもの。1審・2審は、「睡眠妨害は深刻だ」として午後10時から午前6時まで自衛隊機の飛行差し止めを命じる初めての判決を言い渡していた。
この裁判について、最高裁は、自衛隊機の運航に高い公益性を認めた上で、騒音被害を軽減するための措置が講じられているなどとして、2審判決を変更し、「自衛隊機の飛行差し止めを認めない」とする住民側逆転敗訴の判決を言い渡した。
また最高裁は、2審判決が認めていた将来分の賠償についても「認めない」との判断を示し、過去の騒音被害に対する損害賠償だけが認められた。
原告の代表らは、5回目の提訴を行うとしている。