東電“凍土遮水壁に効果” 規制委に報告
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福島第一原発の汚染水対策として巨額の費用で建設された地中を凍らせてつくる氷の壁「凍土遮水壁」について、稼働から9か月近くたつ中、東京電力は26日、効果が出てきたとする評価を示した。
「凍土遮水壁」は、福島第一原発の建屋の周りの地中を凍らせて地下水の流入を防ぐ氷の壁をつくり、汚染水の発生を減らそうというもので、350億円の国費で建設された。今年3月の稼働から約9か月たつ中、東京電力は26日、原子力規制委員会に対し、原発建屋の海側で地下水の水位が下がる傾向があり、水をせき止める「効果がみえてきている」と報告した。
一方、規制委員会は、それでも通り抜ける地下水の量自体は当初の想定の倍以上だとして、効果は限定的と指摘した。
原子力規制委員会・更田豊志委員長代理「遮水壁とはそういうもの、要するにあんまり水をとめるのではなく流量を低減させるもの」
原子力規制委員会は東電に対し、汚染水対策として、別の方法に軸足を移すよう助言している。