全日空機トラブル 機体に異常見つからず
全日空機が19日、着陸後に滑走路を外れて停止したトラブルで、これまでの調べでは、機体に異常は見つかっていない。20日から本格的な調査を始めた国の事故調査官は、「オーバーラン」ではないかとの見方を示している。
新千歳空港に入った運輸安全委員会の航空事故調査官。20日は当時の状況について、パイロットや客室乗務員への聞き取りから始めた。午後からは機体を調べたが、これまでに、機体の異常は見つかっていないという。
航空事故調査官・福田公爾さん「制動面を中心に見た。異常はみられなかった」
トラブルが発生したのは19日の正午ごろ。雪の中に埋まり動けなくなっていたのは、秋田を出発して新千歳空港に着陸した全日空1831便。その瞬間を捉えた写真には、雪を舞い上げて停止する様子が写っていた。
トラブルはAとB2本あるうちのB滑走路で起きた。全日空機は、誘導路に入るため左に曲がるはずだった。ところが、実際は、60メートルあるオーバーラン対策の「過走帯」とよばれるエリアも越えて雪の中に突っ込んだ。
航空事故調査官・福田さん「オーバーランであることは間違いない。『滑走路の逸脱』についてはさらに確認が必要」
全日空は、「機体は着陸後、十分に減速して移動していた」と説明。国土交通省の新千歳空港事務所はトラブル直後の計測では、「路面は滑りやすい状況ではなかった」としている。
しかし、全日空で機長を務めていた元パイロットは、冬道の危険を指摘する。
元パイロット・樋口文男さん「路面温度が下がると報告より滑りやすいことが通常もある」
新千歳空港での調査は、21日で終わる見込みで、引き続き、聞き取りなど原因の究明が進められる。