【わかりやすく解説】豊洲市場の移転問題
豊洲市場の移転問題をめぐり、石原慎太郎元都知事が3日午後、会見する。
石原氏は知事として「豊洲」への移転を決め、今月20日には、東京都議会の百条委員会に証人としての出席を求められている。去年10月には、小池知事が移転の経緯について質問状を送ったが、石原氏は「記憶にない」などと回答していた。
会見は小池知事の定例会見の直後、午後3時からで、「逃げているとの屈辱を晴らしたい」と話す石原氏がどこまで踏み込んだ発言をするか注目される。会見のポイントについて、社会部東京都庁担当の久野村記者が解説する。
注目のポイントは2点ある。1つ目は、「土壌汚染がある豊洲への移転をなぜ決めたのか」。そして2つ目は、「なぜ都が巨額な汚染対策費を負うことになったのか」。
【1:土壌汚染がある豊洲への移転をなぜ決めたのか?】
東京ガスの調査ですでに汚染は確認されていたが、石原氏は2001年に「豊洲」への移転を決断した。さらに、2008年に石原氏自身の指示で土壌の再調査をしたところ、環境基準の4万倍のベンゼンが検出され、土壌汚染の深刻さが発覚した。
しかし、移転の方向性は変わらず、2011年に土地の売買契約を結んだ。土壌汚染が問題になり続ける中、移転を推し進めた理由をどう語るのか注目している。
【2:なぜ都が巨額な汚染対策費を負うことになったのか?】
実は、都と東京ガスの契約では、「今後、東京ガスが土壌汚染にかかる費用負担をしない」という条件がつけられている。これによって、東京都は契約の際に決めた金額の約78億円以上の負担を東京ガスに求めることができず、都の負担は約782億円までに膨らんでいる。契約の経緯について説明が求められる。
夏の都議会議員選挙を前に、小池知事は豊洲市場の問題を通して、改革を進める姿勢をアピールしてきたが、そのターゲットとなった石原氏がどのように反論するのかも注目される。