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2017年3月31日 17:36

増える“シャッター商店街”再生へ取り組み

増える“シャッター商店街”再生へ取り組み
(c)NNN

■商店街7割「空き店舗対策してない」

 客足が遠のき、多くの店が閉まった「シャッター商店街」が増えていることに危機感を抱いた中小企業庁が今月21日、商店街の在り方を話し合う対策会議「新しい商店街政策の在り方検討会」を開いた。

 会議には商店街の代表も参加し、商店街に客を呼び込む工夫や、商店街を支える仕組みなどについて話し合われた。

 会議で出された調査結果では、1つの商店街につき約1割が空き店舗になっていて、理由としては「店主の高齢化や後継者の不在」「客や周辺人口の減少」が多いという。さらに、全体の約7割の商店街が「空き店舗への対策を特にしていない」ということがわかった。


■薬局ポスターに「アホにつける薬は…」

 そのような中、再生への取り組みが進んでいる商店街もある。

 「笑い」で客を呼び込もうという取り組みを行っているのが、大阪市の「文の里商店街」。薬局に貼られているポスターに書かれているのは「アホにつける薬はあれへん。」

 漬物店のポスターには「切り口に、大量の塩を塗り込んでやった。」と書かれている。白菜の「傷口」ならぬ「切り口」に塩を塗り込むという写真が掲載され、ユニークな仕上がりになっている。

 文の里商店街は近くにスーパーができるなどし、複数の店が閉店を余儀なくされたということだが、ポスターを作ることで売り上げが2割増えた店もあるという。


■「美商女」に会ってスタンプもらおう

 女性の力で商店街を活気づけようという取り組みもある。愛媛県松山市の「道後商店街」で配られている「美商女マップ」。マップに載っている、商店街で働く女性たちを「美商女」と呼び、お店で「美商女」に会えたらスタンプがもらえる。

 3つ集めると記念品のプレゼントがもらえるということで、女性ならではのアイデアを生かし、店に客を呼び込む取り組みがされている。


■住民のニーズ聞きながら再建

 外部のアイデアを取り入れ、生まれ変わらせようとしているのが、宮崎県日南市にある「油津商店街」だ。

 スーパーが閉店し、空き店舗となっていた場所には、レストラン街ができた。また、空き地になっていたところには、カフェや子供服売り場が、閉店した衣料品店の場所にはIT企業「ポート」を誘致し、オフィスを造った。

 ポートの本社は東京・新宿だが、商店街に支社ができたために、地元の若者がUターン就職などをして働いているという。

 Uターン就職した谷下弘樹さん(24)は「地方の街でも取り組みをすれば、人がきちんと帰ってくるんだと。その魅力を感じることができれば、地元で暮らすというのは、ものすごく楽しいことだと」と語る。

 このほか、商店街には地元の人たちが気軽に立ち寄れるオープンスペースが設けられた。カフェやレストランも造られたほか、商店街の中に保育園も建設中で、住民のニーズを聞きながら商店街の再建が進められている。


■コミュニティー空間として再生する

 この商店街の再建に取り組んでいるのは、全国から選ばれたコンサルタントの木藤亮太さん(42)だ。

 木藤さん「街を大切にするという気持ちを育むためにも、商店街がもう一度、新しい形で生まれ変わる必要がある。今からの街が目指さなければいけないビジョンを、1つの形として表現する場所として、商店街がよみがえっている」

 将来の商店街にとって、重要なのは何か。商店街は物を売るだけの場所ではなく、そこを訪れる住民たちが、情報を交換したり、暮らしの相談をしたり、喜びや悲しみを分かち合う「コミュニティー空間」であるべきだろう。

 その街独特の文化を大切にしながら、コミュニティー空間をどうやって作っていくのか、そこを話し合っていくことが大切ではないだろうか。