文化功労者に“ひふみん”こと加藤一二三さん 藤井五冠との再戦「チャンスが与えられたら喜んで」
今年度の文化勲章の受章者が発表され、歌舞伎俳優の松本白鸚さんら6人が選ばれました。また、文化功労者には“ひふみん”こと加藤一二三さんらが選ばれ、会見では喜びを語ると共に、藤井聡太五冠との再戦についても語りました。
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何度も会釈をしながら会見場に姿を見せたのは、“ひふみん”こと将棋の加藤一二三さん、82歳です。
加藤一二三さん(82)
「この度、文化功労者に選ばれまして、大変喜んでいます。家族中でですね、大喜びをした次第です」
将棋界では大山康晴十五世名人以来、2人目となる文化功労者に選ばれました。将棋の解説やイベントなど、将棋の枠だけにととまらず、親しみやすいキャラクターでタレント活動などを行っている加藤さん。将棋の知名度の向上に大きな貢献を果たしたことが、選ばれた理由だとしています。
加藤一二三さん(82)
「あらためて、この際ですね、感謝の意を表しつつおきたいというふうに思っております」
1954年、当時、史上最年少の14歳7か月でプロ棋士となった加藤さん。この記録は藤井聡太五冠が14歳2か月でプロとなるまで、62年間破られることはありませんでした。
その藤井五冠のデビュー戦の対戦相手になったのが加藤さんです。
加藤一二三さん(82)
「やっぱり藤井さんのデビュー戦は私が戦って、しかも本当は勝つつもりだったんだけどもですね、負けたことによってですね、もう一気にですね、今まで多分、普通に言って、将棋の好きな子どもがいっぱい出てきましたよね。第2の藤井さんを目指すってことですね」
藤井五冠に負けたことで、今の将棋ブームにも貢献しているのではと話しました。
また、会見ではもし今後、藤井五冠との再戦の話が来たらとの質問も…
加藤一二三さん(82)
「もし、そういうチャンスが与えられたらですね、喜んでですね、研究して元気いっぱい戦います」
その藤井五冠は25日午後、防衛した王位の就位式に出席しました。会見の中では加藤さんの印象についての質問も…
藤井聡太五冠
「間近で見て迫力を感じましたし、指し手の方でも矢倉を教わることができたのは、私にとって大きな財産になっているかというふうに思っています。しばらくお会いできていないので、どこかでお会いする機会があればと思っています」
他にも数々のヒット曲を生み出し、「ユーミン」の愛称で知られるシンガー・ソングライターの松任谷由実さんら、あわせて20人が文化功労者に選ばれています。
また、文化勲章の受章者も発表されました。歌舞伎俳優の松本白鸚さんら6人が選ばれました。
松本白鸚さん
「もうかれこれ80年近く、舞台役者を続けております。この栄誉を私一人ではできませんで、お礼を申したいと思います」
これまで関わってきた人たちに感謝の言葉を述べた松本さん。松本さんは親子2代での受章となりました。
文化勲章の親授式は11月3日、文化功労者の顕彰式は11月4日に行われる予定です。