皇后さま83歳 陛下運転の車に同乗映像も
皇后さまは20日、83歳の誕生日を迎えられた。誕生日にあたり寄せられた文書では、被災各地への思いや天皇陛下の退位、家族のことまで率直な感想をつづられていた。
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20日に公開された映像では、天皇陛下が運転される愛車インテグラに乗って皇居内を移動する様子が。毎朝6時のニュースを見た後、散策することを日課とし規則正しい生活を送られているという。
20日は皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻、眞子さまら皇族方が集まられお祝いの行事が行われた。誕生日にあたり文書で感想を寄せられた皇后さま。2500字程度だった過去2回と比べ、今年は3500字近い文字の中にさまざまな思いをこめられている。
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【被災地への思い】
最初に、地震や豪雨、今月始まった九州・新燃岳の噴火などに触れ、被災地を案じられた。
「深い悲しみを思い、どうか希望を失わず、これから来る寒い季節を、体を大切にして過ごして下さるよう心から願っています」
【退位について】
今年6月には天皇陛下の退位を可能にする特例法が成立。これまで皇后さまは陛下の退位についてご自身の意見を明らかにしていなかったが今回初めて、安堵の気持ちを明かされた。
「長い年月、ひたすら象徴のあるべき姿を求めてここまで歩まれた陛下が、御高齢となられた今、しばらくの安息の日々をお持ちになれるということに計りしれぬ大きな安らぎを覚え、これを可能にして下さった多くの方々に深く感謝しております」
さらに退位を前にした最後の日々、地方公務に臨む感慨も初めてつづられた。
「今年は国内各地への旅も、もしかすると、これが公的に陛下にお供してこれらの府県を訪れる最後の機会かもしれないと思うと、感慨もひとしお深く、いつにも増して日本のそれぞれの土地の美しさを深く感じつつ、旅をいたしました」
【ご家族について】
「身内では九月に、初孫としてその成長を大切に見守ってきた秋篠宮家の長女眞子と小室圭さんとの婚約が内定し、その発表後程なく、妹の佳子が留学先のリーズ大学に発(た)っていきました」
【平和への願いが込められた言葉も】
今年のノーベル平和賞をICAN(=核兵器廃絶国際キャンペーン)が受賞したことについて。
「核兵器の問題に関し、日本の立場は複雑ですが、本当に長いながい年月にわたる広島、長崎の被爆者たちの努力により、核兵器の非人道性、ひと度使用された場合の恐るべき結果等にようやく世界の目が向けられたことには大きな意義があったと思います」
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今年、例年以上の文字数に深い思いをつづられた皇后さま。20日夕方には、愛子さまや悠仁さまもお祝いに訪問される。