「嫌疑かけて調べなしゃあない」最側近が「告発者聴取」やりとり 厳しい追及も 兵庫県知事パワハラ疑惑
パワハラ疑惑などで告発され、19日に不信任案が可決される見通しの兵庫県の斎藤知事ですが、NNNは最側近だった元副知事が告発者の男性を聴取した際の記録を入手しました。生々しいやりとりの中には、“脅し”ともとれる厳しい追及もありました。
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17日、兵庫県の斎藤元彦知事が記者に問われたのは、進退の決断についてでした。
──ご自身の進退であるとか、1人で考えるのか、相談できるような人はいるのか
兵庫県 斎藤元彦知事(46)
「自分の知事としての決断になりますから、知事というのは、判断にはやはり孤独な面もずっとありますので」
県議会の議員全員から辞職を要求され、“孤立無援”状態となる中、当時の最側近、片山元副知事が斎藤知事の指示のもと、疑惑を告発した元県民局長を聴取した際のやりとりが明らかになりました。
この聴取が行われたのは、斎藤知事が告発文の存在を知った5日後のことでした。
片山元副知事
「どういうことや説明してくれ」
元県民局長
「やってません」
片山元副知事
「山ほど資料出てきたで、お前の所から。分厚いのがようけ(たくさん)。1年間のやつ悪いけど見せてもろたけど」
元県民局長
「僕はそやから、それを何かして対外的に出すことなんてことは一切してませんから」
告発文への関与を否定する元県民局長に対し、片山元副知事からは“脅し”とも取れる発言も…
片山元副知事
「名前が出てきた者は一斉に嫌疑かけて調べなしゃあないからな。いろいろメールの中で名前出てきた者は、みんな在職しとるいうことだけ忘れんとってくれよな。まあ手始めに(県職員の)Aあたり危ない思うとんやけどな」
別の職員の名前をあげた上、人事権をちらつかせて厳しく迫っていました。
元県民局長は聴取が終わってすぐ名前を出されたA氏に電話をしましたが、実は当時、A氏は別の県幹部から聞き取りを受けている最中だったのです。
幹部らは元県民局長には伝えずに電話をスピーカーにするよう指示。そして…
元県民局長
「片山さんが来て取り調べを受けて、調べていたことがあって、この間それを文章にまとめたみたいなことをしたんやけどそれがバレて…」
職員A氏
「えっ、(元県民局長が)やったんですか?」
元県民局長
「そうそう、(A氏が)つながっているんじゃないかといろいろ勘ぐっていたから、ちょっと気にしとって」
職員A氏
「わかりました。告発文はまいたんですか?」
元県民局長
「うん、ここだけの話。僕単独でやってん、事実上な」
会話が筒抜けになっているとはつゆ知らず、自分が告発者であると認める発言をした元県民局長。
そしてこのわずか2日後…
兵庫県 斎藤元彦知事(46)(今年3月)
「うそ八百含めて公務員として失格」
斎藤知事は強く批判。元県民局長は停職3か月の処分となり、その後、死亡しました。
17日、この聴取について斎藤知事は…
兵庫県 斎藤元彦知事
「(聴取は)全体としてはしっかり内容を聞いたということだと思います」
──やりとり自体は適切か不適切か
兵庫県 斎藤元彦知事
「そこはあの…言葉の強さや言葉の内容というものは、違法という面があるかどうかは別として、やはり言葉が強かったり、表現が行き過ぎた面があったんだと」
斎藤知事に対し、19日の県議会初日に全会派が不信任決議案を提出する方針で、可決される見通しです。
(9月17日放送『news zero』より)