「保護犬が年賀状に」殺処分を防ぐ取り組み
かわいらしい犬の写真がついた年賀状。実はこの犬は、殺処分を免れた「保護犬」です。2016年度に殺処分された犬と猫は5万頭以上。こうした犬を保護する取り組みを取材しました。
やってきたのは千葉県柏市――
記者「(ハガキに写った)こちらの子なんですけど、今、どこにいますか?」
稲葉さん「こちらですね。今ちょうど出てきた顔の黒いこの子ですね」
年賀状に写っている犬がいました。ここは、殺処分される犬たちを引き取り保護する施設「NPO法人 犬と猫のためのライフボート」。実は、年々減っているとはいえ、2016年度に、全国で殺処分された犬と猫は5万5998頭にのぼります。
そのためこの施設では、犬たちを保護していくためある工夫をしています。そのひとつが、写真の無料公開。犬たちのかわいらしい姿を撮影し、年賀状やSNSで使ってもらおうとインターネット上に写真を公開し、飼い主を募集している保護犬の写真を無料で使えるようにしています。写真のダウンロードだけでなく、実際に会いに行くこともできるため、飼い主作りのきっかけにもなるのだそう。
稲葉さん「保護施設から犬をもらえる、ということを知っていただいて、選択肢に入れていただくだけで、助かる子がぐっと増えると思う」
取材したこの日だけで、飼い主を希望する人たちが5組来ていて、4組が引き取ることを決めました。
飼い主希望の夫婦「この犬種が飼いたいとか、こだわりはそこまでなかったので、だったら保護犬を迎え入れれば、この子たちも殺されずに済むし」
一方、保護犬が中心のカフェもあります。「保護犬カフェ 西八王子店」では、犬と一緒に遊ぶことができ、ペット保険に加入するなどの条件を満たすと、飼い主として引き取ることもできます。このカフェでは1か月に約20頭が引き取られていくそう。
飼い主「1年くらい前に1匹引き取りました。犬の残りの人生を一緒に過ごしていきたいなと思って」
ただ、こうした動物の保護には注意点もあります。東京都によると、「ワクチン接種や不妊・去勢手術が済んでいるか」「病気などにかかっていないか」など、事前に確認しておく必要があるといいます。
また、保護犬を飼えない人でも、支援する方法はあります。例えば、広島県の神石高原町では、ふるさと納税の使い道を、保護された犬のエサ代や不妊・去勢手術の費用などに、指定できる制度もあるということです。
広がる保護犬の支援活動。身近な所にも増えてきているようです。