薬の製造や流通状況 一元把握システム作る方針固める 厚労省
厚生労働省は薬などの製造や流通状況を一元的に把握できるシステムを作る方針を固めました。システム構築費用などとして来年度の概算要求に約1億4000万円を盛りこむ方針です。
厚労省は製薬メーカーや卸売会社に薬や検査キットなどの製品の生産量や出荷量、在庫の状況などをオンライン上で報告してもらい、供給状況を一元的に把握できるシステムを作る方針です。
解熱鎮痛薬「カロナール」に、想定を上回る需要が集中し、品薄になったほか、一部で抗原検査キットが不足し、混乱が生じた際、厚労省は出荷量や先行きについて電話など手作業でメーカーに聞き取りをしたため情報の発信や対応が遅れました。
新しいシステムを活用することで厚労省が一目で状況を把握し、足りない場合はすぐに増産の要請などを行えるようにすることで製品の供給を安定させたい考えです。
また、医療機関や薬局が供給状況を閲覧できる情報サイトも作り、特定の製品の買い占めを防ぎ、代替品の購入などにつなげたいとしています。
このシステムは来年度中に運用開始することを目指していて、来年度の概算要求にシステムの構築費用などとして約1億4000万円を盛りこむ方針です。