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“目隠しフェンス”設置に地元住民が反発 「びわ湖大花火大会」

2023年8月7日 19:54
“目隠しフェンス”設置に地元住民が反発 「びわ湖大花火大会」

8日に「びわ湖大花火大会」が4年ぶりに開催されますが、地元住民が猛反発する異例の事態となっています。きっかけは、安全対策として設けられた「有料の観覧席」や「目隠しのフェンス」でした。

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約1万発の花火が琵琶湖の水面を彩る「びわ湖大花火大会」。例年35万人が訪れる関西最大級の花火大会が、8日に4年ぶりに開催されます。しかし、7日に会場周辺に行ってみると、花火大会らしからぬ“異様な光景”が広がっていました。

記者(滋賀・大津市、8日)
「かなり高いフェンスが設置されています」

道路にそってずらっとフェンスが設置され、その中には…

記者
「椅子がずらーっと並べられていますね」

今回、主催者側は有料の観覧席を1万席以上増やし、約5万席にしました。さらに、有料の観覧席と道路の間に高さ約4メートルの目隠しとなるフェンスを設置しました。主催者側は、“安全対策のため”としていますが、思わぬ影響が広がっていました。

40年以上住む地元住民(80代)
「全然違うでしょ。あれがあるのとないだけでも」

40年以上、自宅から見える花火を楽しんでいたという女性に話を聞くと、今年はフェンスで見えなくなってしまったといいます。黒い幕で、びわ湖はまったく見えない状態になっていました。

40年以上住む地元住民(80代)
「非常に残念。ここから見えるだけの花火で我慢しとこかなと、とりあえず今年は」

この大会をめぐっては、ほかの問題も起きていました。

地元住民
「花火大会の翌日はいつもゴミの掃除が大変。ゴミがすごい散乱しているのは見たことあります」

地元住民
「下手したら歩けへんとか。小さい子は埋まってしまうので危ない」

ゴミのポイ捨てや、自宅周辺の混雑に悩まされてきた地元住民。これまで、主催者側に問題の解消を要望してきたものの、具体的な解決策は出てこなかったといいます。そこで、地元の自治連合会が“開催反対”を求める決議文を提出する異例の事態になっています。

中央学区自治連合会 青木正博会長
「観光振興も大事ですが、地域の住民の思い、心も大切にしていただきたい。どんな意味があって長い高い壁を作るんだと」

巨大なフェンスはなぜ必要なのか。

びわこビジターズビューロー 濱田康之企画広報部長
「花火大会当日は歩行者専用の道になるんですね。花火が鳴るとみなさん立ち止まって、滞留がおこってしまいます。雑踏事故が起きるリスクが非常に高まりますので」

主催者側は、目隠しのフェンスは、人が道路に立ち止まるのを防ぐためとしています。雑踏事故の危険性だけでなく、緊急車両が通れなくなるおそれがあるといいます。

2001年の兵庫県明石市の花火大会では、観光客が殺到して雑踏事故が発生。11人が犠牲となり、安全対策の強化が求められてきました。

さらに、大会運営の経済的な事情もあるといいます。

びわこビジターズビューロー 濱田康之企画広報部長
「経費の面ですね。有料観覧席の増席と単価のアップを実施する方向に」

警備の強化や花火の火薬などの高騰で、大会にかかる費用は約1億円増加。こうした事情も有料の観覧席を増やした理由だといいます。

地元が歓迎しない中での開催となってしまった今回の花火大会。

中央学区自治連合会 青木正博会長
「みなさん、(花火大会を)心待ちにしているので、(今後)多くの方が楽しめるそういった開催になればなと」

主催者側は、次回の開催に向けて住民との話し合いをするとしています。

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