「山の日」 噴火から4年、御嶽山の今は
8月11日は「山の日」。63人の死者・行方不明者が出た御嶽山の噴火から4年。今の山の様子と、復興への動きを、山の上から伝える。
御嶽山の山頂からおよそ1キロ、標高2900メートルのところに来ている。看板には立ち入り禁止と書かれている。現在、火山活動は落ち着いているが、火口から1キロの範囲にはロープが張られ、今でも立ち入ることができない状況が続いている。
御嶽山は、4年前の9月27日、多くの人々が雄大な景色を楽しみながら山登りをする中、突然噴火した。山頂付近は、現在も立ち入りが禁止されていて、4年たった今でも、まだ5人の方が行方不明のまま。
今年の秋には、山頂エリアへの立ち入り規制が解除される見通しで、一般の登山者も、再び頂上まで登ることができるようになる予定。万が一の噴火に備えて、噴石から身を守るシェルターの建設も進められている。
11日、この御嶽山の雄大な景色の中にある山小屋が、「山の日」に合わせて、営業を再開した。リニューアルオープンした山小屋の名前は「二の池ヒュッテ」、かつての「二の池新館」。
山小屋がリニューアルされる2か月前に取材した際にも、まだ噴火の爪痕が生々しく残されていた。山小屋のカレンダーは噴火当日のままにされ、室内は灰に覆われ、宿泊部屋や台所には、屋根を突き抜けて飛んできた大きな噴石が、そのまま残されていた。
この山小屋を復活させようと奮闘しているのが、新たにオーナーに就任した高岡ゆりさん。調理師免許を持ち、料理には人一倍のこだわりを持つ高岡さん。御嶽山の雄大な自然を感じられるこの小屋を廃れさせてはいけないと、オープンに向けて懸命に準備を進めてきた。
そして、たどり着いた、11日「山の日」でのオープン。友人が作ってくれたという山小屋の看板を、慎重に立てかけていく。
Q.いよいよオープンですが、どんな気持ち?
この池ヒュッテ・オーナー 高岡さん「泣いている場合じゃないですね。ここから、これからなので。アットホームで、笑顔がたえない小屋にできたら…」
オープンまでの苦労と仲間への感謝の気持ちで涙があふれた高岡さんだったが、これからがスタートだと気持ちを新たにしている様子だった。
突然の噴火から4年、復興に向けて、少しずつ歩みを進める御嶽山から中継だった。