“働く女性の運動離れ”背景と対策は?
世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「“働く女性”運動離れ?」。大学時代に女子サッカーで、2度の全国制覇を達成し、現在はウェブメディアなどの事業を展開する八木彩香さんに聞いた。
スポーツ庁の調査によると、「週1日以上運動する」と答えた女性は20代~40代で、それぞれ32%から43%と20年前のデータと比べると、10ポイントほど下がっている。専門家は「女性の社会進出や子育てなどで、時間がとれないのでは」と分析している。
ネット上では「男はもっと家事育児すべき」「結局、時間に追われている」「私は早朝から毎日ジョギングしている」との声があった。
――八木さんはパーソナルジムも運営していますが、このような状況をどう捉えていますか。
私は女性向けのパーソナルジムを運営していますが、やはり客層を見てもモデルさんや夜の仕事をされている方とか、時間を自分でコントロールできる方が多いと思っていて、実際、働いている方だとか、なかなか時間取れずにいるところがあるので、このデータには「納得」かなと思います。
――フリップも書いていただきました。
『まずはジムより身近な運動を』と書きました。やはり運動を始めようとする時に、ジムに入会したりとか、新しいウエアを買ったりとか、“形から入る”人が多いと思うんですが、ジムなどは何だかんだ言って、運動始める前に着替えたり、移動したりで30分ぐらい時間を使ってしまうんです。さらに運動して帰るのも30分ぐらいかかってしまいます。
そう考えると、やはり、まとまった時間がないと運動できないということになってしまうので、まずは家の中でスクワットや簡単な腕立て伏せをやるとか、そんなところから始めるのが大事かなと思います。
――どちらかというと近年は、ダイエット志向を考える人たちが増えている中で、「ジム離れ」は意外だと感じたのですが。
やはり女性の社会進出とかで時間が取れないというのがあるかもしれません。入会してるけど、なかなか行けていないというのは実際には多いと思います。
――周りの同世代の方々はどうでしょう。アスリートをやっていらっしゃったので、体を動かしているというような話は聞きますか?
みんな運動は基本的に好きだと思うんですけど、同級生とか見ても23時まで働いて、朝はやはり早かったり、子育てをやっている人だと子どもの世話でいっぱいいっぱいになってしまって、なかなか自分の時間が取れていないように思います。
――その中で八木さんが提案されている身近な運動を提案いただきましたが、女性ができる簡単な運動はどんなものがありますか。
足のほうを動かす「足あげ腹筋」とか始めやすいと思います。上げ下げしているだけでも、意外と疲れてくると思います。それから始めてみて、気持ちが高まってきたらジムに行ってみるとかが、いいんじゃないかと思います。
――私なんかは、「飛行機バランス」を子どもと一緒にやる機会があるんですけど、あれはどうですか。
いいと思います。あまりフラフラすると、骨盤が開いたりして効果がなかったりするんですけど、そういうところから始めるのはいいと思います。
■八木彩香さん(27)プロフィル
ウェブメディアなどの事業を展開。大学時代に女子サッカーで、2度の全国制覇を達成。その後、自転車で日本一周の旅を行った。その経験を生かし、現在は旅やスポーツなどに関する記事の執筆・配信をしているほか、アスリートのセカンドキャリア支援事業などを手がけている。最近の取材では、ブラジルのアマゾン川でピラニア釣りに挑戦した。
【the SOCIAL opinionsより】