ニホンジカとの衝突事故が多発 自費修理も
秋が深まるこの季節、ニホンジカと自動車との衝突事故が多発している。夜の暗闇の中、突然道路に飛び出してくるニホンジカの様子をとらえた。
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闇夜の中、道路を駆け抜ける1頭のシカ。立派なツノを持つオスのニホンジカ。今の時期、シカは繁殖期を迎えており、オスのシカが活発に行動することが多いという。
岩手県内では各地でシカの目撃情報が…。今年7月には盛岡駅の前に迷い込む姿もとらえられた。
今、シカとの衝突事故が増えているという。
去年、大船渡市の国道では、道路上にいたシカをよけようと乗用車が防護柵に衝突し、1人が死亡。北上市の東北自動車道では、乗用車がシカに衝突し、車3台とオートバイ1台が絡む多重事故が発生し、3人が病院に搬送されている。
シカとの事故の多くは夜間に発生。実際に事故が多発している道路を走ってみると、シカに遭遇。このときシカは、草を食べながら道路を渡り、山に帰っていった。
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シカと衝突し事故を起こした場合、物損事故の扱いとなるため、車両保険に加入していないと、保険が適用されず思わぬ出費となる場合がある。
あるタクシー会社では、過去にシカと衝突し、自費で車両を修理した苦い経験がある。
遠野交通・前川敬子代表取締役「警察に訴えてもしょうがないことですしね」「1回見かけたらそこは出てくると思って注意して走っているようですし、1頭通り過ぎたと思ったら、次続いて出てくると思って、全部確認して通り過ぎてから発進するようにしている」
相次ぐ事故を防ごうと、警察は、注意を呼びかけている。
遠野警察署交通課・城大介係長「夜間、原則ハイビームで走行していただきたい。道路上のシカを早めに発見することができます」
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こうした野生動物との事故は全国でも―。各高速道路会社によると、2017年度の全国の高速道路上で事故などにあった野生動物を処理した件数はおよそ4万7000件に達している。
警察は、野生動物が出没する道路では速度を落とし慎重に運転するよう呼びかけている。