「雑誌は死なない」Hanako編集長語る
世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「Hanakoが月刊化&全国誌に」。「Hanako」の編集長・田島朗氏に聞いた。
これまで隔週で発行していた「Hanako」だが、10月から月刊誌となった。月刊化にあわせて、発行部数も増やし、コンテンツの対象を、これまでの東京中心から全国へと広げた。また、販売地域も首都圏から全国へと拡大したという。
ネット上では「いままで東京だけとは知らなかった」「創刊時を知る身として、なんとなくショック」との一方で、「全国誌のHanakoは楽しみ」という意見があった。
――なぜ今回、このように変化したのですか。
まず月刊化に関しては、雑誌の役割の変化がこの30年で起きているかなと思います。創刊時は東京の情報を伝える雑誌だったんですが、今は情報の量とか速報性はインターネットに取って代わられていると思うんです。
その中で僕たちができることは何だろうと考えた時、ちょっと楽しいライフスタイルを提案するというか――そういった「シティーライフマガジン」といった言い方をしているんですけど、そういった形に変化していく道を選びました。それは東京だけではなくて、全国の女性たちが待っている情報だと思いますし、全国誌という形をとっていくと。
――そういう背景にはどのような思いがあるのかフリップに書いていただきました。
『「雑誌」は死なない!!』――ちょっとセンセーショナルに書きました。
――雑誌などの発行部数が減っているなどと言われていますが、これからどうなっていくんだろうと気になりますね。
実は、フリップに書いた「雑誌」は、括弧が重要なんですが、「雑誌=紙」ではないと思っているんですね。私たちは月刊化するんですが、「Hanako.tokyo」というウェブサイトをやったりとか、「ハナコラボ」という読者コミュニティーのイベントがあったり、あとは商品開発をしたり、海外に日本、東京の情報を発信したり、今後いろんなことをやっていくことになるんですが、それぞれを全て編集しているというか、雑誌の編集部が全てやっていくこということで、それ全体を「雑誌」だととらえています。雑誌自体は月刊化するんですが、「Hanako」というブランドはパワーアップすると。
――逆に雑誌だけではないからこそ、パワーアップできると。
そうですね。ポジティブなパワーアップです。
■田島朗氏(44)プロフィル
雑誌「Hanako」の編集長。マガジンハウス入社後、18年間「BRUTUS」の編集に携わってきた後、2016年に「Hanako」編集長に就任。今年、「Hanako」は創刊30周年、新しい雑誌メディアの在り方を目指し、ブランドの展開を拡大していくという。
【the SOCIAL opinionsより】