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不妊治療“正解がない”難しさ…支援策は?

2018年11月16日 15:36
不妊治療“正解がない”難しさ…支援策は?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「不妊治療の課題」。妊活を支援する事業を手がける石川勇介氏(36)に聞いた。

厚生労働省の調査によると、「不妊治療をしたことがある」「予定している」と答えた人は、全体の14%だった。さらに、不妊治療をしたことがある人のうち16%が「仕事と両立できず、退職した」と答えている。また、両立ができなかった理由として多かったのは、精神面での負担の大きさや、通院回数の多さ、体調・体力面での負担の大きさだった。


――この調査結果をどう見ますか。

妊活当事者だけではなくて、そのまわりを取り巻く課題をどう解決していくか、どう社会を変えていくかが非常に重要な要素になっていくかと思います。


――フリップにも書いていただきました。

はい、「5.5組に1組」と書きました。この5.5組に1組の方が、自ら妊娠を希望して、病院で検査して治療に進んでいるんです。これだけ多くの人が取り組んでいる中で、なかなか言うことができない現状があったり、いかに大変なのかということを知ること、まずそれが理解を示していく第一歩だと思います。


――石川さんご自身も経験されたということですが、この妊活の難しさというのはどこにあるんでしょうか。

一番難しいのは「正解がない」ことだと思います。やはり毎月毎月、妊娠できなかったという事実を突きつけられて、どんどん精神的にも追い詰められていくし、妊娠できたからといって、それで終わりではないんですね。妊活も妊娠も、その後に続く子育ても支えていくことが非常に重要になっていくかなと思います。


――そして、この問題は個人だけではないんですよね。

そうですね。個人へのケアと同時に周囲の理解、企業で言えば風土を変えていくことが非常に重要になっていきます。企業によっては、費用補助制度や休暇制度を持っているところもあるんですが、ただ制度をつくるだけでなく、いかに取りやすくするか、組織として変わっていけるかが、本当の意味で支えていくための社会になるための大きな分かれ道だと思います。


――いま、事業を展開している中で、見えてきたものや課題は何でしょう。

ここ1年ぐらいで、企業側も理解を示してきているというのは強く感じています。そこに至るまでは、厚労省であったり、NPO法人だったり、さまざまな調査や当事者の声が要素になってきています。


■石川勇介氏(36)プロフィル
妊活を支援する事業を手がける。会社員時代、自らが妊活に取り組む中で感じた課題を解決するため会社を立ち上げた。妊活を始めた夫婦が、不妊症の専門知識を持つ看護師らから、自身に合わせたアドバイスをLINEで受けられるサービスを展開するなど、不妊治療を含めた妊活全般をサポートしている。


【the SOCIAL opinionsより】