駅前の商業施設が閉鎖も店舗は営業 ナゼ?
駅前の一等地にある商業施設。売り上げ減少で閉鎖が決まり、今月3日がテナントの営業終了の期限だった。しかし、6日に施設を訪れると、まだ18軒の店舗が営業を続けていた。利用客も困惑を口にする。何が起きているのか。
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石川県七尾市のJR七尾駅前の一等地にある7階建ての複合商業施設「パトリア」で今、ある騒動が起きているという。
一体、何が起きているのか、施設内を見てみると、テナントの店舗が通常通り営業する様子がみられた。しかし、その一方で、閉店している店舗もあった。
さらに、2階に上がってみると、2階の店は両側とも営業を終了していた。100円ショップには、段ボールが積まれ、店の片付け作業をする様子がみられた。また、他の店舗には閉店セールの貼り紙があった。さらに、サービスカウンターには閉鎖したとの案内も書かれていた。
営業する店舗に聞くと、突然、施設の運営会社から今月3日に営業を終了するように通達されたという。
テナント会会長、中山薬局・橋本秀和社長「突然、3月3日に(運営会社の)都市開発の方から出ていってほしいと。あ然としましたね」
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1995年にオープンし、ピーク時には年間、5億6000万円の売り上げを記録するなど、地元を中心に愛されてきた、商業施設「パトリア」。しかし、その後、売り上げは減少し、赤字に…。負債総額はおよそ18億円にのぼり、先月、パトリアの運営会社が破産申請していた。
そのため、全テナント、22店舗に対し、今月3日の営業終了と15日までに退去するよう求めていた。
パトリアで営業する店「あまりにも急だったので何も手につかないような状況でしたね」
パトリアで営業する店「えーって驚いた。今、戸惑ってます」
運営側は説明会を開き理解を求めたが、テナント側からは経営責任を問う声や「残り2週間で出ていけというのは納得いかない」という声が相次いだ。
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テナント会会長、中山薬局・橋本秀和社長「みんないろいろ言いながらも、3日というの(退去)に準備してると思う。準備しながらでもトラックが充当(準備)できんとか悩んでるんですね。そういう気持ちと少しでも営業したいという気持ちと交錯してる。本当に私、市民に申し訳ないと、それだけです」
一方、運営側は…
パトリア管理組合・高澤良英さん「テナントさんからもいろんなご意見が出ましたので、そういった内容を十分に理事会で検討させていただきたい」
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双方、折り合いがつかないまま迎えた今月3日、ホームセンターや100円ショップなどでは閉店セールが行われた。この日、4つの店舗が閉店したが、6日現在、その数は変わっておらず、まだ多くの店舗が営業を続けていた。
利用客「ここなくなったら本当どこ行けばいい?一番困るわ」
利用客「(Q.お買い物とかでも使う?)うん、お買い物も」
存続を希望する声など、寄せ書きも行われていた。
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運営側は一時、5月6日まで営業の延期を認めたが、エスカレーターなどの施設費の面で折り合いがつかないなど、いまだ出口が見えない今回の騒動。今後、いろいろな条件を提示していきながら協議を進めていきたいとしている。