カフェラテ、ビール…調味料も“透明”に!
いま、次々と登場しているのは「透明」の食品。透明なカフェラテや透明なビールなどに続いて、日本の食卓にとってもなじみ深い“あの調味料”も透明になって登場した。
削って使うドレッシングやピンク色の日本酒など、世界中からさまざまな食品が集まる「FOODEX JAPAN 2019」。あるブースを訪ねると、そこにあったのは、白い皿に入れられた透明な液体。かまぼこをつけて食べると“あの調味料”だった…それはこれまでの概念を覆す「透明なしょうゆ」!
フンドーダイ五葉、営業部、東京支店長、横森和志さん「新世代の基礎調味料そういったものをみなさんにご紹介できれば」
開発したのは熊本県の調味料メーカー「フンドーダイ五葉」。一度、黒い色のしょうゆを造り、独自の製法で分離精製して透明に。約1年半をかけ、先月から販売しているという。来場していた人に、アレルギーがないかを確認した上で正体を明かさず口にしてもらうと…見た目とのギャップからか、なかなかしょうゆだと気づかない人も。
来場者「(Q.家のしょうゆが透明になっていたら)結構かけちゃいそう」
ただ、通常より手間やコストがかかる透明なしょうゆ。新たな客層を取り込みたい狙いがあるという。
横森和志さん「和食の垣根を越えるっていうんでしょうかね。いろいろ試してみたい、研究してみたいとシェフにも言われている」
一世帯あたりのしょうゆの年間消費額が、この30年で約半分になる中、洋食などにも使ってもらいたいという。
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洋食に使うとどんな料理になるのか?フランス料理のお店で、特別に使用した料理をつくってもらった。透明なしょうゆをあわせたのは白いジュレ。そして、イシダイのカルパッチョが完成した。黒いしょうゆを使ったものと比べてみると、明るい色で統一され、色鮮やかな印象。
ドランカー恵比寿・山川真代表「赤とか黄色とか緑を生かしたいときは(しょうゆの)黒がない方がよかったりする。そんなときはいいかと思います」
さらにマグロと透明なしょうゆを使えば、身の色が変わらず、本来の赤色がよく映えたマグロ漬けも。
every.「全く色がつかないので汚れていません」
服などについても汚れない特徴もある。
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さらに、あの調味料まで!愛媛県のかつお節メーカーが販売しているのが、透明なつゆ。創業100年を記念してつくられたもので、買えるのはネットだけ、さらに100本限定となっている。好評であれば、今後の追加販売なども検討するという。
相次ぐ食品の透明化。去年には、透明なカフェラテや透明なノンアルコールビールなど続々と新商品が登場している。そして、今月上旬に発売された“黄金色の飲み物”。長野県のみそメーカーがつくった「甘酒」だ。なぜ透明にしたのか?
ハナマルキマーケティング部長・平田伸行さん「少し粒状の甘酒が苦手だという方もいらっしゃるようなんですね。甘酒マーケット自体の広がりをこの商品で実現できるのではないか」
どろっとした食感のしない甘酒にしたことで、苦手な人にも飲んでもらいたいという。また、ミントや牛乳などと混ぜ、いろいろな楽しみ方もできるという。
平田伸行さん「やはり色でいうとゴールドのキレイさ。ひとつ海外の人に親しんでいただけるのではないか」
新たな客層を取り込むため、続々と透明化する食品。見たこともない料理が食卓に並ぶ日もくるかもしれない。