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食品ロス、ヨーロッパでの取り組みとは?

2019年4月8日 15:27
食品ロス、ヨーロッパでの取り組みとは?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「食品ロス、どうすれば削減できる?」。ドイツ在住のサーキュラーエコノミー研究家・安居昭博氏に聞いた。

農林水産省や環境省の推計によると、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は約646万トン。内訳を見ると、事業者からは、約357万トン、家庭からは289万トンほどとなっている。環境省の「基本計画」では、国連の「持続可能な開発計画(SDGs)」を踏まえ、2030年度までに家庭からの食品ロスを半減するとの目標が定められた。

「食品ロス」について、ネット上では「買ったのに、消費期限切れにしてしまう」「スーパーでは見切り品と半額食品を狙って買う」「恵方巻の時期は、いつも大量廃棄が問題に」などの意見があった。


――食品ロスのヨーロッパでの取り組みを取材されている安居さんに聞きます。フリップをお願いします。

『フードロス=“お宝”のロス』と書きました。ヨーロッパではこのような認識が広まっているように思います。まず、サーキュラーエコノミーのビジネスの中でも社会的にまだまだ活用ができるのに活用されていないものを見つけ出す、それはまさにお宝であり、資源なんです。

例えば、オランダで注目されているもので、フードロスを活用したレストランというものがあって、地域で廃棄されてしまっていたフードロスを活用してビジネスにつなげています。2年前にベルリンにオープンした賞味期限切れのものだけを販売するサープラスというストアもあるんですが、そこもベルリンの地域のスーパー・ストアから廃棄される食材を逆に資源、お宝だと捉えてビジネスチャンスにつなげています。


――企業側から変わってきているんですね。

そうです。もちろん企業、スタートアップだけでなく行政や大企業が、まず自分たちが資源を依存している地球環境に持続可能性を持たせることによって、自分たちのビジネス、さらに労働環境も持続可能にすることによって、ビジネスと社会にも持続可能性を持たせるということが、ヨーロッパでこれほどまでにサーキュラーエコノミーが注目されている背景になっていると思います。


――家庭でも廃棄されている食品も多いんだなと感じましたが、家庭、私たち一人ひとりでは何ができるんでしょう。

オランダの廃棄食品レストランであったり、ドイツの賞味期限切れのストアでもワークショップのようなかたちで行われているんですが、そこのワークショップに地域の人たちが親子で参加をして、そこで例えば家庭でも、冷蔵庫の中に残っていた古くなった野菜や果物を活用して、切って酢に漬けるだけのピクルスやドライフードにしたりしています。

私も家庭でよくやっていますが、野菜や果物を使って、コールドプレスジュースやスムージーにしたり、自分たちの身の回りでも古くなったから捨てるのではなくて、身の回りからできることもあります。自分たちの生活に取り入れると楽しいものなので、どんどんできることから気軽に取り組んでいくのがいいかなと思います。


■安居昭博氏プロフィル
ドイツ在住のサーキュラーエコノミー研究家。「サーキュラーエコノミー」とはこれまで大量廃棄されていた様々な資源をビジネスと結びつけ、社会課題を改善しつつ、地球環境にも経済にも持続可能性を持たせる循環型経済のこと。安居氏は、サーキュラーエコノミーの知見をさらに深め、世界に発信していきたいと考え、5月からは、アムステルダムへの移住を予定している。


【the SOCIAL opinionsより】

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