関空連絡橋衝突 いかり1本しか下ろさず
去年、台風で流されたタンカーが大阪の関西空港の連絡橋に衝突した事故で、国の運輸安全委員会は、タンカーが2つ使うべき「いかり」を1つしか使っていなかったことなどが要因になったと考えられるとする報告書を公表した。
この事故は去年9月、台風21号の強風や波によって、近くに停泊していたタンカーが流され関西空港の連絡橋に衝突したもの。
報告書によると、タンカーは、悪天候の際は2本下ろすべきいかりを1本しか下ろさず、船長がかじを前後にも左右にも進まない向きにし続けたことで、その場にとどまる力が弱まったと考えられる、と指摘している。
海上保安庁は関空から5.5キロ以上離れて停泊するよう注意を呼びかけていたが、船長は情報を知らず、2キロほどの場所にとどまっていた。タンカーの所有会社と運航会社も安全な停泊方法についての情報共有をしておらず、こうしたことも事故につながった可能性があるとしている。