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逮捕“手配男”「生活費ほしくて」…他の「強盗」や「特殊詐欺」も関与か

2024年10月9日 6:11
逮捕“手配男”「生活費ほしくて」…他の「強盗」や「特殊詐欺」も関与か

埼玉の強盗事件をめぐり公開手配され、7日夜に逮捕された男。現場に行った理由について「報酬を受け取る約束で行ったが強盗を指示された」と供述していることがわかりました。

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8日未明、新潟県から埼玉県に移送されてきた男。

「森田容疑者を乗せた車が今、所沢警察署に到着しました」

所沢市で起きた強盗致傷事件で公開手配され、7日夜に新潟県柏崎市で逮捕された森田梨公哉容疑者(24)です。

記者
「顔を伏せています」

8日、森田容疑者が「生活がギリギリで、生活費がほしくてやった」と供述していることが新たにわかりました。

森田容疑者は今月1日、仲間とともに埼玉県所沢市の民家で高齢の夫婦を粘着テープで縛った上、刃物で切りつけ現金を奪った疑いがもたれています。

強盗や特殊詐欺など複数の事件に関わったとみられる森田容疑者。所沢市の強盗致傷事件と同じ日には、三郷市内で特殊詐欺に受け子として関わった疑いがあることがわかりました。逃亡中の新潟県で起きた特殊詐欺事件にも関与したとみられています。さらに、所沢の事件の前日に東京・国分寺市で起きた強盗事件への関与をほのめかす供述をしていることも新たにわかりました。

9月30日、その国分寺の強盗事件現場近くの防犯カメラ映像。森田容疑者の姿が映っていたといいます。

10月1日、今度は所沢の現場に行った理由について森田容疑者は、「報酬を受け取る約束で行ったが、強盗を指示され断れなかった」と話しているということです。

警察は、森田容疑者が国分寺の事件の報酬を受け取るため所沢の現場に行ったところ、強盗に関与することになったとみて調べています。

これまでに4人が逮捕されている所沢の事件の“実行役”。佐藤聖峻容疑者も「国分寺市の強盗も私です」と話しているということです。

なぜ同じ人物が複数の事件に関わることになったのか。警察庁は、所沢や国分寺をはじめ東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県で起きた少なくとも7つの強盗などの事件の関連を視野に捜査するよう指示しました。

このうちの複数の事件に関わったとみられる実行役はほかにもいるといいます。今年8月に神奈川県厚木市の質店で起きた強盗致傷事件で逮捕された轟祐二被告は、千葉県八千代市で質店に2人組の男が強盗目的で押し入ろうとした事件への関与をほのめかす供述をしていることがわかりました。

警察庁が関連を視野に入れている事件の中には、神奈川県鎌倉市の質店に2人の男が押し入り、店員がけがをした強盗事件や東京・練馬区の強盗事件などがあり、この1か月あまりの間に相次いでいます。

7つの強盗事件の共通点について警察庁の幹部は…

警察庁幹部(7つの強盗事件の共通点)
「いずれもSNSで実行役が募集されたとみられ、複数人が犯行に関与したとみられるもの。犯行態様の類似と近接した時期に近接県で起きていることもふまえた」

8日、警察庁はこれらの事件に関係する警察の幹部を集めた捜査会議を開きました。

警察庁 谷滋行刑事局長
「まさに匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による犯罪の特徴を有しています」

こうした犯罪で指示役によって使い捨てにされているのが、闇バイトなどで集められた実行役です。

闇バイトに詳しい龍谷大学研究員・廣末登氏は「お金なんてもらえないですよ、リスクに見合うお金はもらえません」と警鐘を鳴らします。

森田容疑者のように、報酬をもらいに行くつもりが次の強盗を断れなくなるケースはよくあるといいます。

闇バイトに詳しい 龍谷大学研究員 廣末登氏
「1週間後に払うね、2週間後のいついつに払うねと言われて1週間とか2週間の間に犯行重ねさせられて結局、逮捕されるからお金払わなくていいんですよ、使っている側(指示役)は。逮捕要員として闇バイトを入れているわけですから使い捨てですよ。それが闇バイト、本当にだまされています」

警察庁は県警の垣根をこえて情報共有をはかり、指示役の検挙に向けた捜査を推進する方針です。

(10月8日放送『news zero』より)

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