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諫早湾“開門無効”見直しか 最高裁弁論へ

2019年5月24日 10:28

長崎県にある諫早湾の干拓事業を巡り、水門を開けるよう命じた判決を事実上、無効にするよう国が求めた裁判で、最高裁判所は7月に弁論を開くことを決めた。国の訴えを認めた去年7月の福岡高裁判決が見直される可能性がある。

長崎県の諫早湾では、1997年に水門を閉め、干拓して農地をつくる事業が行われている。この事業を巡っては、9年前に国に開門を命じた判決が確定した一方で、6年前には開門を認めない仮処分決定が出されていて、裁判所によって判断が異なる異例の事態となっている。

国は漁業者側に9年前の開門を命じた判決を強制しないよう求め、1審では国が敗訴したが、去年7月の福岡高裁は「漁業権が消滅しているため、漁業者側の開門を求める権利も消滅した」として一転して国の主張を認め、開門を命じた判決を事実上、無効とする判決を出した。

これに対して、漁業者側は上告していたが、最高裁は7月26日に弁論を開くことを決めた。福岡高裁の判断が見直される可能性がある。

弁論では、「9年前の開門を命じた確定判決に、漁業権が消滅した後も引き続き開門を継続する義務を負うという内容が含まれているかどうか」が争点となる。