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水不足で…見られないはずの“絶景”話題に

2019年6月4日 19:05
水不足で…見られないはずの“絶景”話題に

今月に入り、東京都心は連日、夏日に…。梅雨入りを前にムシムシとした天気が続いているが心配されるのが水不足。しかし、その水不足の影響で北海道の観光地では本来、見られないはずの絶景が楽しめると、いま、話題となっている。

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連日晴れ間に恵まれる一方、近年にないほどの深刻な水不足。北海道では、水不足ゆえの絶景がいま話題となっている。午前6時と早朝にもかかわらず大勢の観光客が集まり、歩いて向かうのは上士幌町のダム湖「糠平湖」。そのお目当てが、古代遺跡を彷彿とさせる圧倒的な絶景、高さ10メートル「タウシュベツ川橋梁」。もともと旧国鉄の鉄道橋で1955年ダム湖開発に伴い役割を終えたが、いま話題となっているワケが。

NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター・河田充代表理事「例年ですと、山の雪どけ水で橋の5分の1くらいは沈んでいる」「水鏡になって、めがね橋と言われる状況になる」

実は例年この時期は、ダム湖の水位が上がり橋梁は既に水に浸かっている。そして水面に円形に映るこの橋梁の姿は「めがね橋」と呼ばれ、多くの観光客が訪れるほど人気に。しかし今シーズンは冬の記録的な雪不足、さらに今月に入っての雨不足でいまだに全景を保っている。

観光客はさぞガッカリしていると思いきやすぐ目の前まで近づくことができると意外にも大評判に。この数週間、ツアーの予約が増え続けているという。

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水不足で潤う観光地がある一方で、愛知県内では水不足が深刻な状況となっている。

先月中旬に貯水率ゼロとなった「宇連ダム」。34年ぶりの記録的な水不足の影響で湖底に突如現れた橋がSNSで幻想的だと話題になった。当時取材したが、4日、改めてダムを訪ねてみると。

先月、貯水率ゼロの時と比べるといくらか水位は増しているものの、4日時点で貯水率は19%どまり。深刻な水不足はいまも続いている。

地元の住民からはこんな心配も――

豊橋市民「節水を考えないといけないですね」

その言葉通り、愛知県では夏を前に節水が必要な緊急事態に陥っている。そのひとつが、宇連ダムを含む豊川用水に水道水の全てを頼る蒲郡市。市役所では、ある対策がとられていた。

蒲郡市水道課・酒井利則課長「節水により使用中止ということにさせていただいております」

15%の取水制限が出された4月後半から、新館に16か所あるトイレのうち7か所の使用を中止に。住民にも無線放送で節水を呼びかけるほど、近年にないピンチを迎えている。

今週末には梅雨入りの気配が高まるものの、気象庁は、今月前半は全国的に降水量は例年より少ないと予想。さらなる水不足が心配される。