イギリスで一二を争う絶景お散歩コースから亀甲博行記者が中継で伝える。

イギリス南部の港町ドーバーにある遊歩道。イギリスでは「フットパス」と呼ばれる遊歩道が各地に整備されていて人気となっている。そして奥に見えてきたのが、イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡。狭いところではフランスまで３５キロほどしかなくて晴れた日だと、水平線にフランスの姿を確認することができる。

実は私たちがいるところは断崖絶壁になっている。世界的にも有名なドーバーの白い崖。崖が白いのは黒板に書くチョークのような石灰岩でできているためで、高さ１００メートルほどの崖が数キロにわたって続いている。下をのぞきこむとさすがに足がすくんでしまうほどの高さだ。遊歩道はこの崖に沿って伸びているので片道１時間ほどの絶景散歩を楽しむことができる。

ただ、１５日にドーバーを選んだのは絶景だけが理由じゃない。イギリスとヨーロッパ大陸の玄関口、ドーバー港。フェリーがとまっているのが見えると思うが、フランスとイギリスの間を１時間半ほどで結んでいる。

こうしたフェリーに乗って１日に７０００台のトラックが通過しているが、イギリスがＥＵから合意なしで離脱すれば、この港で貨物がストップしてイギリスのスーパーに商品が届かなくなることが心配された。

ドーバーは、１２世紀にドーバー城がつくられるなど歴史的にイギリス防衛の象徴だったが、ＥＵ離脱を巡っても最前線となっている。結局、離脱の期限は１０月末まで延期されたのでいったん危機は回避されたが、実はその後、交渉が進んでおらず、停滞したままとなっている。

イギリスでは２３日にヨーロッパ議会選挙の投票が行われるので、この結果を受けて、再び交渉が動き出すことになりそうだ。