夏日に子どもの“マスク”は―― 母親ら不安「熱中症の方が怖い」 “マスク緩和”も…「無意識に着けちゃってる」の声
厳しい暑さの中、街の人は着用緩和が進むマスクとどう付き合っているのでしょうか。「熱中症の方が怖い」と心配する母親がいる一方、無意識に着用する人もいます。熱中症に詳しい専門家によると、暑い時にマスクを外すと「3つのメリット」があります。
■マスク「人がいない時に外す」
30日夜、東京・池袋にある焼き肉が売りのビアガーデンでは、「お疲れ、かんぱーい」と楽しむ人たちの姿がありました。暑さの上昇とともに客足が伸びているといいます。
会社員(20代)
「外に一瞬出ただけでも汗がすごい出ちゃって、もう半袖ですね」
東京都心の最高気温は29日が31.2度の真夏日、30日も27.8度の夏日となりました。着用の緩和が進むマスクについて会社員は「ちょっと人がいない時に外して、(口の周りを)換気したりしています」と言いました。
■厳しい暑さ…「子どものマスク」心配
日本列島は各地で厳しい暑さに覆われました。30日に全国で一番の暑さとなった山梨・甲州市は、最高気温34.1度の真夏日になりました。最高気温が32.1度だった長野・松本市のプールでは、子どもたちが「楽しいよー」と大はしゃぎで楽しんでいました。
東京・墨田区の公園で話を聞きました。親たちが心配していたのは、子どものマスクでした。
母親(30代)
「熱中症と(新型コロナウイルスの)どっちの方が怖いかなと、てんびんにかけてって感じですかね。これから暑くなってくると、熱中症の方が怖いなって気はします」
厚生労働省は熱中症のリスクを考慮し、屋外で遊ぶ時などは距離を確保できていれば「マスクは必要なし」としています。ただ、「もうちょっと着けてようかな。様子を見て」と言う小学3年生(9)もいました。
東京・足立区の図書館では、1人離れて勉強する男性(25)がいました。
距離が確保できて会話もなければマスクをする必要はありませんが、男性は「なんかもう、無意識に着けちゃってるという感じで。顔が蒸れて、ちょっときついですね。マスクずっとしてるのは」と話しました。
■外すと見えやすい「熱中症のサイン」
東京消防庁管内では30日、熱中症の疑いで26人が病院に搬送されました(午後9時時点の速報値)。
熱中症に詳しい済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師に、暑い時にマスクを外すメリットについて聞きました。
谷口医師
「まず水分補給がしやすくなり、次に熱がこもるのを防ぐということがあります。さらに、熱中症になった時には『苦しいな』という表情が誰でも出てくるので、熱中症のサインが分かりやすいことがあります。自分だけならない、という過信は持たないことが大事です」
(5月30日『news zero』より)