海岸に無断で“ペット墓地” 軽犯罪法や条例に違反も…
大分県宇佐市の海岸に、複数の墓標のようなものが建てられていることがわかりました。誰かが無断で飼っていたペットを埋めて墓をつくったとみられ、自治体は県の条例に違反する可能性があるとしています。
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17日、大分県宇佐市の海岸へ向かいました。
記者
「こちらお墓でしょうか…。日付が書いてありますね」
海岸にたてられた木の棒には「令和元年五月十一日」と書かれていました。周りには貝殻で飾られていて、燃え尽きた線香もありました。その近くにも、何本も木がたてられていて、動物のものとみられる骨が散乱していました。
異様にも見えるこの光景を見つけたのは、海岸のゴミ拾いのボランティアをしている男性でした。最初は「子供が遊びで木をたてた」と思っていましたが――
宇佐ごみゼロクラブ 速見正次代表
「この辺を歩くと、こたつ布団の端とか、あるいは毛布が飛び出ているわけです。それを、ぐーとひきあげると、そこには犬か猫かの骨かなと。あ、これは墓だったんだなと」
男性が、“墓場”のような状態に気づいたのは3月でした。死んだペットを誰かが埋めたと思い、すぐに市へ連絡したといいます。近所の住民も、この状況に困惑していました。
近所の住民
「猫やらね、ワンちゃんやらね、もう埋めるところないし、持ってきて、埋めるんでしょうね」
“墓場”となった海岸は、大分県が管理する土地です。宇佐市では、死んだペットが持ち込まれた場合は一般廃棄物として処理をしていて、勝手に自分の土地以外に埋めると、軽犯罪法や県の条例に違反する可能性があるといいます。
今回見つかった“墓”はそのままにするものの、市では県と連携し、看板などを設置して、注意喚起していくということです。
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飼う以上、避けられないペットとの別れ。その時、どうするのか。東京都内でペットを飼う人に話を聞いてみました。
ペット飼う人
「家族だから、ちゃんと埋葬してあげたいという気持ちはありますよね」
しかし、中には――
ペット飼う人
「(道路の)植木っていうの花壇の上で土の中に入れて、熱帯魚だから、小さいからさ、そのままにしておくと、かわいそうだから。(違反になるとは)知らなかったです」
環境省によると、全国でも自治体によって、死んだペットを他人の土地に許可を得ず埋葬すると、廃棄物処理法違反となる場合があるといいます。
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犬や猫のみならず、は虫類や熱帯魚などペットの種類も増える中、東京都調布市で犬や猫などの火葬を行う「深大寺動物霊園」では、今月から新たに昆虫の葬儀を行う「昆虫葬」を始めたといいます。
深大寺動物霊園 火葬主任 藤谷佳太さん
「お子さんに命の大切さを学んでいただけたらと、6月から昆虫葬をとり行っております」
昆虫葬は、桐でできた専用の棺に手紙を一緒に入れ、最期のお別れができるというものです。この葬儀は、子供に命の尊さを知ってもらうために始めました。
深大寺動物霊園 火葬主任 藤谷佳太さん
「昆虫も一緒で、お線香・お鈴など用いて、ご供養していただこうと思っております」
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家族の一員でもあるペットとの最期の別れ。責任ある行動が求められます。