育児中の父親はまず残業と飲み会をなくして
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「父親の育休 日本は制度整うも取得は進まず」。スリール代表の堀江敦子さんに話を聞いた。
ユニセフ(=国連児童基金)は今年6月、各国の子育て支援策に関する報告書を発表した。報告書によると、日本は先進41か国で唯一、父親が有給で6か月以上の育児休業をとれる制度を整えた国としている。
しかし、2017年に取得した人は20人に1人にとどまっており、極めて少ないとも指摘している。人手不足や取得しづらい職場の雰囲気などを、その背景に挙げている。
ネット上では…
「制度があっても、有給すら取れない」
「長期間の休み明けに、戻るところがあるか心配」
「まず、育休有りきの人員配置をしないと無理」
などの意見があった。
――この話題について堀江さんにフリップを書いていただきました。
「“育児時短”のススメ」です。
“育児時短”というのは男性にとっていただくということなんですが、女性と同じように4時に帰ってほしいとか、そういうことではないんです。
単純に育児をするようになった男性方の残業時間をなくしていくことだったり、あとは飲み会をなくしていくというところから始めていきませんかというススメなんです。
といいますのも育児休暇をとるとなってくると、会社も人員配置だったり、色々と有給も取れないのにと悩んでいるところもありますので、まずはここからというところです。
――フリップにかかれている時計は何でしょうか。
この午後6時~9時というのが、育児のゴールデンタイムなんです。この時間というのは、保育園から帰ってきて、ご飯を作って、お風呂に入れて寝かしつけるという、ここの3時間に人手がふたつあるというだけですごく楽なんですね。
実は、旦那さんが15分早く帰宅することの方が、月給10万円稼ぐよりも妻の満足度が高いという統計結果があります。さらに1歳半まで育児を一緒にしたかどうかで妻から夫への愛情が11年決まるという統計結果もあります。
ですので、男性が育休を取っている間から、そこから1年半くらいまではこういった“育児時短”を、まずは男性もはじめていく。そういうところから、まずは残業をなくして、働き方改革というところも進めていただけるのではないかと思います。
――ただ一方で職場の上司の理解が必要だなと思います。
そこは先ほどの体験型のプログラムというものをマネジャーにも受けてもらって状況を理解していただくこともすごく重要だと思っています。
――環境の整備が大切ですね。
そうですね。やはり意識というところがすごく重要だと思います。
■堀江敦子さんプロフィル
堀江さんが代表を務めるスリールは、大学生向けの仕事と育児の両立を体験するプログラムや企業向けの女性活躍推進研修などを行っている。大学生向けプログラムでは「働くこと」と「家庭を築くこと」を学び、実際に体験することで、自分のなりたい姿を描いてもらうことを目指している。また、企業向けにもダイバーシティ推進のアプローチをしている。堀江さんは中学生時代から200人以上のベビーシッターを経験。仕事も子育ても自分らしく実現できる社会にしたいと思い25歳の時に起業した。それぞれの人が自分らしいワーク&ライフを実現することを目指している。
【the SOCIAL opinionsより】