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野党は“報告書受け取らない”に重点…なぜ

2019年6月15日 0:32
野党は“報告書受け取らない”に重点…なぜ

老後の生活に「年金だけでは足りない」などとした金融庁の審議会の作業部会の報告書をめぐり、野党側は、麻生金融担当相が報告書を受け取らないことを厳しく批判。野党側は、年金そのものの話よりも、麻生大臣が報告書を受け取らなかったことに重点を置いているようだが、この点について国会記者会館の菅原記者に聞く。

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麻生大臣が報告書を受け取らなかったことについて厳しく追及している野党だが、そこは意識してやっているようだ。国会議員は、週末は地元に戻って支援者の声を聞いたりするが、これは自民党議員の話だが、意外と地元の皆さんも年金だけじゃ足りないのは『まあ、そうだよね』という反応があるという。

野党も、年金制度そのものに踏み込んでも対案もないし、得策ではない、と。それよりも『なぜ受け取らないんだ』『選挙前だと不都合な事実は隠すのか』というところを重点的に攻めている。

実はこれについては、自民党内からも批判の声がある。麻生大臣と同じ、金融担当相の経験者は、2000万円については説明すればよかった話なのに、「なかったことにしたのが問題。大臣が諮問したモノを受け取らないなんてあり得ない」と話している。

当初は、参院選前に2000万円という数字が報じられたことに、「単純なキャッチフレーズにされては怖い」と危機感をもってそれを封じたわけだが、今度は、それを封じたことに対してさらなる危機感が広がっているという状態だ。

19日には党首討論がある。安倍首相自身がこの問題にどう向き合うのか、改めてその姿勢が問われることになる。