南海トラフ周辺 先月は「特段の変化は観測されず」 気象庁で巨大地震発生の可能性評価の検討会開催
気象庁は、南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する検討会を開き、先月は「特段の変化はなかった」とする見解をまとめました。
気象庁は、今後30年以内の発生確率が70%~80%とされる南海トラフ地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、先月、想定震源域で起きた地震活動や観測データの分析を行いました。
その中で、先月17日の徳島県南部を震源とするマグニチュード4.9の地震については、フィリピン海プレートの内部で起きたもので、巨大地震をひきおこすプレートとプレートの間の状態を変化させるものではないとしています。
こうしたことから検討会は、南海トラフ周辺で「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。
一方で、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、静岡県御前崎などで長期的に観測されている地盤の沈降はフィリピン海プレートの沈みこみに伴うもので、その傾向に大きな変化はないとしています。
しかし、南海トラフ周辺では「地震は起きないと思わず引き続き注意をしてほしい」と呼びかけています。