気象庁“噴火での潮位変化に対応”新たな情報発信へ
今年1月、南太平洋トンガの海底火山で大規模な噴火がおき、日本の沿岸で潮位変化が観測されましたが、気象庁は来月にもこうした噴火による潮位変化に対応した新たな情報発信を行うことになりました。
トンガの海底火山「フンガ・トンガフンガ・ハアパイ」では、今年1月に大規模な噴火が発生し、日本の沿岸では最大で1メートルほどの潮位の変化が観測されました。
潮位の変化をうけて岩手県などには津波警報が発表されましたが、噴火が発生してから警報発表までの間、情報発信が不十分だったことなどが課題となっています。
これをうけ有識者らで作る気象庁の検討会は28日、報告書案をまとめました。
それによりますと、これまで「潮位の変化」と表現していた呼称を「津波」に統一して、津波警報の枠組みを使って警戒を呼びかけるとことにします。
そのうえで、すでに海外で規模の大きな地震が発生した場合に運用している「遠地地震に関する情報」を利用して、噴煙高度が1万5000メートル以上の大規模噴火が観測された場合には、「津波発生の可能性がある」と情報を出すこととしています。
また、気象衛星ひまわりで潮位変化の原因となる気圧波を広範囲に確認した場合には、「津波発生の可能性が高まった」と発表するなど新たな情報発信の方針をまとめました。
今回課題となった噴火発生から津波警報の発表まで時間を要したことについては、噴火から日本沿岸で潮位変化が観測されるまでの間に適切な情報発信を行い、沿岸の住民や自治体の防災準備につなげたいとしています。
有識者会議は来月にも正式な報告書まとめ、気象庁は情報体系の改善を行うことにしています。