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ご当地給食を商品化 「たこぺったん」スーパーで販売開始 「レモン漬け」食品メーカーがタレ開発

2024年4月17日 20:36
ご当地給食を商品化 「たこぺったん」スーパーで販売開始 「レモン漬け」食品メーカーがタレ開発

子どものころの懐かしい“あの味”が、続々と商品化されています。地元で愛された“ご当地給食”が大手スーパーで販売されるなど、商品化が広がるその理由を取材しました。



みなさんに聞きました。「思い出の給食メニューはなんですか?」

大阪出身(40代)
「王道にカレー」

東京出身(10代)
「揚げパンです。じゃんけんで取り合いです」

山梨出身(20代)
「ほうとうとか」

沖縄出身(30代)
「沖縄そば。沖縄の味を思い出すから」

みんなが大好きな王道メニューから、“地元”を思い出すご当地メニューまで。いまも“恋しくなる”給食が、食卓に広がり始めています。

「試食もあるので、ぜひ食べてみてください!」

先週から、東京・大田区の大手スーパーで販売が始まったのは、大田区の学校給食「たこぺったん」。溶いた小麦粉に、たこやキャベツ、コーンなどをまぜて揚げた、ご当地メニューです。

「たこ焼きを食べたい」というリクエストから作られた「たこぺったん」は、約30年もの間、地元で愛されてきました。しかしなぜ、給食のメニューが“スーパーのお総菜”に仲間入りしたのでしょうか?

イトーヨーカドー大森店店長 西川晃石さん
「大田区の魅力を発信していきたいということのなかで、大田区の学校給食だったり魅力を発信できれば良いなと」

大田区に眠る魅力を発信するため、学校の給食メニューの販売を始めました。去年8月に期間限定販売をしましたが、「少し味が違う」との指摘が。

そこで、給食の味を再現するべく協力を仰いだのが、実際に食べている地元の子どもたち。店は去年9月ごろから味の率直な意見を聞いたり、話し合いを重ねながら、約半年かけて再現に成功。試行錯誤が重ねられた味です。

お客さん
「まだたべた~い!」

お客さん
「毎日食べても飽きないかもしれないね」

完成した「たこぺったん」は、誰もが納得の味になりました。

開発に携わった中学生
「ここからどんどん、たこぺったんの“快進撃”が始まっていくんだろうな」

イトーヨーカドー大森店店長 西川晃石さん
「ゆくゆくは東京都、全国っていうところに広げられたらいいなと」

一方、兵庫県赤穂市。この街でも、みなさんに聞いてみました。

「好きな給食のメニューはなんですか?」

小学生
「(鶏肉の)レモン漬け」

50代
「(鶏肉の)レモン漬け」

「(鶏肉の)レモン漬けやと思います」

赤穂市民が口をそろえて言う「鶏肉のレモン漬け」とは、40年以上前から赤穂市で定番化されているご当地給食メニューです。

小学生
「何個でも食べられる」

20代
「男子児童は取り合いになっていた」

50代
「カスまでおいしいんです、給食は」

“揚げカス”までも愛される「鶏肉のレモン漬け」は学校を飛び出して、ハンバーガーやスーパーのお総菜、お弁当、おにぎりと、いまでは“地元の味”になっているといいます。

主婦の店・赤穂店 岸田仁志店長
「うちのお店では爆発的な人気で、年間約2万パック(売れる)。子どもの時から食べ慣れているんです。鶏肉のレモン漬けを食べて、ここまで大きくなったっていうのも過言ではないくらい」

家庭でも人気の一品ですが、「給食の味を再現するのは難しい」との声があがっています。

50代
「再現は難しい」

――給食の味になってる?

60代
「『ちょっと違うな』って言われた」

でも、「あの味を食べたい!」と奮闘する赤穂市民の前に救世主が現れました。

赤穂化成 野中香映さん
「鶏肉のレモン漬けのたれを作りました」

地元の食品メーカーで働く、赤穂市出身の野中さんです。

赤穂化成 野中香映さん
「スーパーのお総菜を買って食べていたんですけど、若干、記憶の味とお総菜の味が違うかなと思って」

「どうしてもあのときの味を食べたい」と実際に給食センターへおもむき、約1年かけてたれを開発。

熱い思いがこもった“たれ”は、スーパーでも販売されていました。

お客さん
「タレが売っているから。そういうのを買っていまは(作っている)」

お客さん
「唐揚げするならこれがいい」

市民も“お墨付き”のたれになり、いまや全国でも販売されているということです。

給食の思い出の味を家庭でも。懐かしい“あの味”を今晩の夕食でいかがでしょうか。