ご当地給食を商品化 「たこぺったん」スーパーで販売開始 「レモン漬け」食品メーカーがタレ開発
子どものころの懐かしい“あの味”が、続々と商品化されています。地元で愛された“ご当地給食”が大手スーパーで販売されるなど、商品化が広がるその理由を取材しました。
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みなさんに聞きました。「思い出の給食メニューはなんですか?」
大阪出身(40代)
「王道にカレー」
東京出身(10代)
「揚げパンです。じゃんけんで取り合いです」
山梨出身(20代)
「ほうとうとか」
沖縄出身(30代)
「沖縄そば。沖縄の味を思い出すから」
みんなが大好きな王道メニューから、“地元”を思い出すご当地メニューまで。いまも“恋しくなる”給食が、食卓に広がり始めています。
「試食もあるので、ぜひ食べてみてください!」
先週から、東京・大田区の大手スーパーで販売が始まったのは、大田区の学校給食「たこぺったん」。溶いた小麦粉に、たこやキャベツ、コーンなどをまぜて揚げた、ご当地メニューです。
「たこ焼きを食べたい」というリクエストから作られた「たこぺったん」は、約30年もの間、地元で愛されてきました。しかしなぜ、給食のメニューが“スーパーのお総菜”に仲間入りしたのでしょうか?
イトーヨーカドー大森店店長 西川晃石さん
「大田区の魅力を発信していきたいということのなかで、大田区の学校給食だったり魅力を発信できれば良いなと」
大田区に眠る魅力を発信するため、学校の給食メニューの販売を始めました。去年8月に期間限定販売をしましたが、「少し味が違う」との指摘が。
そこで、給食の味を再現するべく協力を仰いだのが、実際に食べている地元の子どもたち。店は去年9月ごろから味の率直な意見を聞いたり、話し合いを重ねながら、約半年かけて再現に成功。試行錯誤が重ねられた味です。
お客さん
「まだたべた~い!」
お客さん
「毎日食べても飽きないかもしれないね」
完成した「たこぺったん」は、誰もが納得の味になりました。
開発に携わった中学生
「ここからどんどん、たこぺったんの“快進撃”が始まっていくんだろうな」
イトーヨーカドー大森店店長 西川晃石さん
「ゆくゆくは東京都、全国っていうところに広げられたらいいなと」
一方、兵庫県赤穂市。この街でも、みなさんに聞いてみました。
「好きな給食のメニューはなんですか?」
小学生
「(鶏肉の)レモン漬け」
50代
「(鶏肉の)レモン漬け」
「(鶏肉の)レモン漬けやと思います」
赤穂市民が口をそろえて言う「鶏肉のレモン漬け」とは、40年以上前から赤穂市で定番化されているご当地給食メニューです。
小学生
「何個でも食べられる」
20代
「男子児童は取り合いになっていた」
50代
「カスまでおいしいんです、給食は」
“揚げカス”までも愛される「鶏肉のレモン漬け」は学校を飛び出して、ハンバーガーやスーパーのお総菜、お弁当、おにぎりと、いまでは“地元の味”になっているといいます。
主婦の店・赤穂店 岸田仁志店長
「うちのお店では爆発的な人気で、年間約2万パック(売れる)。子どもの時から食べ慣れているんです。鶏肉のレモン漬けを食べて、ここまで大きくなったっていうのも過言ではないくらい」
家庭でも人気の一品ですが、「給食の味を再現するのは難しい」との声があがっています。
50代
「再現は難しい」
――給食の味になってる?
60代
「『ちょっと違うな』って言われた」
でも、「あの味を食べたい!」と奮闘する赤穂市民の前に救世主が現れました。
赤穂化成 野中香映さん
「鶏肉のレモン漬けのたれを作りました」
地元の食品メーカーで働く、赤穂市出身の野中さんです。
赤穂化成 野中香映さん
「スーパーのお総菜を買って食べていたんですけど、若干、記憶の味とお総菜の味が違うかなと思って」
「どうしてもあのときの味を食べたい」と実際に給食センターへおもむき、約1年かけてたれを開発。
熱い思いがこもった“たれ”は、スーパーでも販売されていました。
お客さん
「タレが売っているから。そういうのを買っていまは(作っている)」
お客さん
「唐揚げするならこれがいい」
市民も“お墨付き”のたれになり、いまや全国でも販売されているということです。
給食の思い出の味を家庭でも。懐かしい“あの味”を今晩の夕食でいかがでしょうか。