自閉症の小学生が描く“どんぐりトトロ”
自閉症スペクトラムと診断された小学生の女の子が、アーティストとして活動している。彼女が描くのは、可愛らしいどんぐりたちの世界だ。
木の枝に一列に並ぶのは、どんぐりに顔を描いて作った“どんぐりトトロ”。絵の中ではバナナの滑り台で遊んだり、お花見をしたり、ひまわり畑で遊んでいる。作ったのは、小学6年生の中西美月さん。美月さんは5歳の時、自閉症スペクトラムと診断された。
いつも何を考えて描くのか聞いてみると…
美月さん「んー、わからない」
周囲の人と言葉でコミュニケーションをとることが苦手で、学校でも友達が少ないという。母親の知余美さんは…
知余美さん「何々ちゃんと仲がいいとかひとつもない。友達と遊ばないで、それをずっと見ている」
美月さんは小学校で特別支援学級に入り、1年生の時、授業でどんぐりトトロを作ったことをきっかけに、自宅でもどんぐりトトロを作り絵を描くようになった。
知余美さん「美月はどんぐりと友達。どんぐりと一緒に遊んでるんだなって。普段の生活でできない、人とうまくコミュニケーションをとるとか、仲良くするっていうことを絵の中に込めている」
美月さんは絵の才能を認められ、東京大学の異才発掘プロジェクトROCKETのメンバーにも選ばれた。これまでに6回、個展を開催している。多くの人が訪れ、美月さんが周囲の人や社会とつながる場になっている。
知余美さん「できないことの数を数えるよりも、できることを見つけてあげて、それを一緒に喜び合える方が幸せ。ありのままでいられる場所を探してあげることが大事なのかなと思っています」
これからどんな絵を描きたいか尋ねてみると…
美月さん「んー、どんぐり!」
【the SOCIAL lifeより】