天皇陛下「イギリス訪問」3日目…「テムズバリア」を視察 「テムズとともに」留学中は洋服店やパブに
イギリスを公式訪問中の天皇陛下は日本時間の24日夜、テムズ川の洪水を防ぐ施設「テムズバリア」を視察されました。イギリス滞在中、天皇皇后両陛下にとっての“思い出の地”も訪問される予定です。
日本テレビ 宮内庁担当・笛吹雅子解説委員
「水問題の研究をライフワークとする天皇陛下は、ここテムズ川で水の災害から街を守るための施設を視察されました」
イギリスに留学していた際には「テムズ川の水運の歴史」を研究テーマにされていた陛下。水の問題に関連して、これまでにも世界各国の施設を視察していて今回、このテムズバリアの訪問に意欲を示されていました。一方、皇后さまは長旅の疲れなどが少し出ているということで、ホテル内で過ごされているとみられます。
国賓として8日間の日程でイギリスを公式訪問されている天皇皇后両陛下。出迎えた人々ににこやかに手を振られていました。
イギリス訪問2日目は、日本文化の魅力を発信する「ジャパン・ハウス」を視察された陛下。
「たくさんの品々がありますね」
石川県の輪島塗や和ろうそくなど、幅広く展示されていることに感心されていました。
「私たちにとって英国はそれぞれ留学生活を送った思い出の地であることもあり、今回の訪問を楽しみにしています」
23歳から25歳にかけてオックスフォード大学に留学されていた陛下。街中を自転車でさっそうと駆け抜けたり、クレジットカードで買い物をされたりする姿が映像に残されています。実は、陛下が買い物をされた洋服店は今もオックスフォードに残っていて、しかも皇后さまも訪れられたことがあるといいます。
皇后さまにも会った洋服店の店員
「のちに雅子さまだったことがわかり、とてもきれいでエレガントだったねと店員みんなで話したものです」
陛下が日本に戻られた3年後、皇后さまも2年間、オックスフォードに留学されていました。
留学中の陛下のお姿は、パブにもありました。
陛下の元警護官 ロジャー・ベーコンさん
「ここ(イギリス)では他の学生と同じようにショッピングやパブに行くことができたのです」
ディスコに行かれた際には、ジーンズ姿だったため入店を断られたこともあったといいます。
陛下の元警護官 ロジャー・ベーコンさん
「ここでの時間は、日本の国民に対してよりオープンに入り込んでいこうとされる陛下のお考えを強めたに違いありません」
陛下はご自身の著書「テムズとともに」のなかでイギリスを離れる際の複雑な心境をつづられていました。
「再びオックスフォードを訪れる時は、今のように自由な一学生としてこの町を見て回ることはできないであろう。おそらく町そのものは今後も変わらないが、変わるのは自分の立場であろうなどと考えると、妙な焦燥感におそわれ、いっそこのまま時間が止まってくれたらなどと考えてしまう。遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている」
このあと、天皇陛下は日英友好団体が主催するレセプションに出席される予定です。
(6月24日放送『news zero』より)