「科学に正直に 自然に誠実に」原子力規制委員会委員2人が交代
原発再稼働の判断などを行う原子力規制委員会の委員5人のうち2人が任期を迎え、19日付で新たな委員が就任しました。
19日付で委員に就任したのは地震学者の山岡耕春さんと原子力工学が専門の長﨑晋也さんです。
山岡さんはこれまでに日本地震学会の会長などを務め今後は原子力施設の地震や津波・火山対策の審査を担当します。
山岡委員は「科学において正直であるということと、自然に対しては誠実に向き合うということを信条として、原子力の規制に精一杯取り組みたい」「地震に関する知見は日々新しくなるので立ち止まらずに見ていきたい」などと抱負を語りました。
またカナダ・マクマスター大学元教授の長﨑さんは青森県に建設中で竣工が大幅に遅れている使用済み核燃料の再処理工場といった核燃料施設などについて審査を担当します。
長﨑委員は「審査が早いか遅いかは重要な観点ではない。科学と技術と法に基づき100%要求しているのであればしっかり要求通りのものかどうか審査する、それが全て。改善するべき点があれば改善していくべきだと思うが早くしなければならないから規制を緩めることはあり得ません」などと話しました。
一方で10年間にわたり委員を務めた田中知委員と石渡明委員は18日、会見し、田中委員は“夢の原子炉”と期待されながらトラブルが続き廃炉にいたった高速増殖炉「もんじゅ」について、安全確保の資質がないなどとして運営主体の見直しを文科省に対し勧告せざるを得なかったことを振り返りました。
また石渡委員は去年、委員会が原発を60年を超えて運転できるようにするための法改正案を了承した際、ただ1人反対を貫いたことについて「今も当時と一切考えは変わっていない」と述べ、後を継ぐ委員がしっかりと審査をしてくれると思っていると話しました。