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高級腕時計“仮面強盗”…犯行時間は約2分 実行役「あと30秒」の意味は 盗んだ商品、転売できる?

2023年5月11日 3:13
高級腕時計“仮面強盗”…犯行時間は約2分 実行役「あと30秒」の意味は 盗んだ商品、転売できる?

東京・銀座の時計店に仮面をかぶった男らが押し入り、100点以上の高級腕時計を奪った事件で、防犯カメラの捜査などから犯行時間は約2分とみられることが新たに判明しました。また、逃走に使われたレンタカーのナンバープレートは盗難品だったことが明らかになりました。車内からは新たに40点近くの腕時計が発見されました。「news zero」は高級時計の買い取り・販売を行う専門店を取材。今回の強盗事件の「盗難品リスト」を見たという店長に話を聞きました。

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8日の強盗事件直後に東京・赤坂で撮影された映像には、関与が疑われている16歳から19歳の4人とみられる集団が、白い車から勢いよく飛び出したところが映っていました。全員が全身黒っぽい服装で、3人目は黒いバッグを抱えて走っているように見えます。男たちが映像の画面から消えると警察官が到着、「どこ行った?」と捜索する様子が映っていました。

8日、東京・銀座の時計店で起きた“仮面強盗事件”。押し入った男らが高級腕時計を奪い、「ぶっ殺すぞ!」と言いながら店を出ると、レンタカーで逃走しました。その直後に、約3キロ離れた赤坂の路地で4人の姿を防犯カメラが捉えました。

実行役は3人でしたが、逃走する車内をタクシーから目撃した人は「他に運転手もいた」と証言します。

目撃した人
「運転手が1人、車の中で待機している状態。(時計店から出てきた)3人はものすごい慌てていたけど、運転手はハンドルに手を置いて発車する準備ができてる感じでしたね」

その後、マンションの5階でベランダづたいに逃げる19歳のアルバイト、塀の陰に隠れていた18歳の高校生を確保。強盗事件の犯行グループとみられる10代の4人が、港区赤坂のマンションに侵入したなどとして逮捕されました。

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防犯カメラの捜査などから、犯行時間は2分ほどとみられることが新たに判明しました。さらに、実行役の男の1人が腕時計を奪う際、「まだ大丈夫。あと30秒はいける」と他のメンバーに指示を出していたとみられることが、捜査関係者への取材でわかりました。

この「あと30秒はいける」とは、なにを意味するのでしょうか。

元大阪府警 中島正純氏
「110番通報された場合、警察は何分くらいで到着するかシミュレーションしていたと思う。(警察官が到着する)時間内に商品を奪い取れと、上から命令があったと。それが『あと30秒』だったと思う」

そして、逃走に使われたレンタカーの「大宮ナンバー」のプレートが、盗難品だったことも明らかになりました。捜査関係者によると、埼玉・川口市で盗まれたもので、事件前日に被害届が出されていたといい、捜査を逃れるために付け替えたとみられています。

また、これまでに約30点の腕時計が押収されていましたが、新たに40点近くの腕時計をレンタカーの車内から発見したということです。

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いま、需要の高まりで高級腕時計の価格が高騰しているといいます。「news zero」は東京・渋谷にある、高級腕時計の買い取り・販売を行う専門店を訪れました。この店で一番高い商品は5000万円。このような高級時計を持ち込み、換金に来る人も増えているといいます。

その時、店側が活用するのが「盗難品リスト」です。この店には、銀座の強盗事件で盗まれた商品の一覧が共有されていて、そこには「ロレックス」という文字がずらりと並んでいました。

――(銀座強盗事件の盗難品の)リストを見て感じたことは?

腕時計専門店の店長
「非常に人気の高い商品が多めに(盗難品)リストに載っている印象でいたので、ある程度、下見して、とる商品を効率よく選んであったのかなという印象を受けました」

この店では査定の際、時計の内側などに小さく記されたシリアル番号を確認して、盗難品リストにないか照合します。もし、該当したら…

腕時計専門店の店長
「客に悟られないように警察に通報して、その後の指示を仰ぎます」

過去に、盗難品が持ち込まれたケースは複数、あったといいます。

元大阪府警 中島正純氏
「盗まれた時計は日本では売りさばくと絶対に足がつくので、不可能だと思う。今回のグループの指示役やトップ、いわゆるピラミッドの上の方の人物に商品が渡って、そこから海外に売りさばかれる…そういうルートだと思う」

中島さんは、実行役の若者が“捨て駒のように扱われている”と指摘した上で、「まずは絶対に、軽はずみに“闇バイト”に応募しない。周りの大人、同級生でもいい、もし友達がそういうことをやろうとしてたら『やめておけよ』と助言して、見かけたり聞いたりしたら警察に電話して、そうすれば強盗に走ることなく、未然に防止することも可能かもしれない」と呼びかけます。

(5月10日放送『news zero』より)