1つのワナでイノシシ15匹捕獲 千葉市でイノシシの捕獲急増 5年で12倍 農作物被害も増加
千葉市で猟友会が設置したワナに、子どものイノシシ15匹がかかりました。1つのワナで一度に15匹の捕獲は「見たことも聞いたこともない」といいます。イノシシが捕獲された現地を取材しました。
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千葉市で9日に撮影されたのは、おりの中を動き回る“複数の獣”です。逃げようとしているのか、重なりあっていたのは「イノシシ」です。その数なんと「15匹」。すべて“子どものイノシシ”で、1つのおりの中に捕獲されていました。
千葉市の中心部から少し離れた地区で今月9日にワナにかかっていたのは、15匹のイノシシです。きっかけは、地元の農家が目撃した“大群”でした。
目撃したという農家がその場所を案内してくれました。
大群を目撃した農家
「ここに20匹くらいいて」
その時に撮影した映像には、4匹の大人のイノシシと複数の子どもの群れが映っていました。道を塞ぐように移動していたといいます。
農家夫妻
「何これって」「びっくりしましたね」
農家はすぐに市へ連絡。対応を協議し、ワナを設置したということです。
イノシシを捕獲した猟友会は、その“異様な光景”に目を疑ったといいます。
千葉市猟友会 有害鳥獣対策班
「この“箱わな”ですね。ちょっと信じられなかったですね。 いままで最高4匹くらいは入ったことあったんですけど。だいたい親子で8頭9頭ぐらいいると大きな群れという認識で。それだけ“大きな群れ”だったということですね」
1つのワナで一度に15匹の捕獲は「見たことも聞いたこともない」といいます。そして心配していたのが、個体数の増加による農作物などへの被害です。
千葉市猟友会 有害鳥獣対策班
「実際の被害の報告も、2021年あたりから急激に上がってきている。確実に個体は増えてきているのかなと」
近年、民家の庭先など住宅街にまで出没し、各地で目撃情報が相次いでいるイノシシ。千葉市では数年前まで目撃されること自体が珍しく、2017年度に捕獲されたイノシシは12匹でした。しかし2022年度は145匹と、5年で約12倍にまで増加。住宅街でも目撃されるケースが増えてきているといいます。
今回、イノシシの子どもを捕獲し一定の成果があったといいますが…
千葉市猟友会 有害鳥獣対策班
「親を捕まえない限りは、数を減らすのは難しいと思う」
親イノシシを捕獲しない限り、被害はなくならないといいます。
農家
「これお米なんですけど、たぶんあそこは掘り返したんですかね」
地元の農家が見せてくれたのは、水田にできた大きな穴です。12日に“突然できていた”といいます。まわりには、イノシシのものとみられる足跡も残っていました。
農家
「あれだけ(稲が)倒れちゃっているので、もう復活はしないと思う」
また、付近の農家ではサツマイモや落花生などを食べられる被害が確認されているということです。
千葉市は、猟友会らと協力し対応にあたっているといいますが…
千葉市・農政センター農業経営支援課 大谷直樹課長補佐
「厄介ですよね。生息範囲が広がってきているので対策をとるエリアも増えているし」
市は畑に柵を設置するなどの対策をとるとともに、イノシシの捕獲を強化。目撃した際の情報提供を呼び掛けています。