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兵庫県知事の“パワハラ”…告発した元幹部男性が死亡 遺書見つかる 知事、9日の公務をキャンセル

2024年7月9日 19:47
兵庫県知事の“パワハラ”…告発した元幹部男性が死亡 遺書見つかる 知事、9日の公務をキャンセル

兵庫県の斎藤知事のパワハラなどを告発した元幹部の男性職員が、7日に死亡しました。遺書が見つかっているということです。告発について「うそ八百」などと否定していた知事。真相の解明は進むのでしょうか。

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兵庫県のトップをめぐる“パワハラ疑惑”。

兵庫県 斎藤元彦知事(8日)
「さまざまな批判、ご指摘はあると思うので、私自身もそこは真摯(しんし)に受け止めたい」

8日、報道陣の取材に応じた斎藤元彦知事。9日は、予定していた公務をすべて取りやめ、カメラの前に姿を見せませんでした。

“真偽”の調査が進む中、知事を告発した元幹部の男性職員(60)が7日夜、死亡していたことが明らかに。関係者によると男性は自殺とみられ、遺書が残されていたということです。

発端はことし3月。

男性職員の告発文
「知事のパワハラは職員の限界を超えあちこちから悲鳴が聞こえてくる」

男性職員が一部の報道機関や兵庫県議などに告発文を送ったことで、事態が明るみに出ました。告発の中身は「気に入らないことがあれば関係職員を怒鳴りつける」など“7つの疑惑”。

中には…

男性職員の告発文
「斎藤知事のおねだり体質は県庁内でも有名」

斎藤知事が視察した企業に“コーヒーメーカーをおねだり”したことなども記されていました。

この告発に斎藤知事は真っ向から否定。

兵庫県 斎藤元彦知事(今年3月)
「信用失墜や名誉毀損(きそん)など法的な課題はすごくある。うそ八百含めて文書を作って流す行為はやっぱり公務員として失格」

その後、県は内部調査の結果、男性職員の告発は「核心的な部分が事実と異なる」などとして停職3か月の懲戒処分としていました。

しかし、その一方で「コーヒーメーカーを受け取っていた」と告発にもあったコーヒーメーカー(6万円相当)を、企業視察に同行していた部長が受け取っていたことが判明。告発が“うそ八百”ではないことが明らかになっています。

真相解明のため先月設置されたのが、強い調査権限を持つ百条委員会。関係者によると、男性職員は委員会設置に感謝を示し、来週には証人として出席する予定でした。

さらに、亡くなる当日には委員会の求めに応じて資料を提出するなど、調査に前向きな姿勢を示していたということです。

兵庫県 斎藤元彦知事(8日)
「昨日お亡くなりになられましたから、ご冥福を心からお祈りする。いろんなご批判やご指摘があるということは、しっかり受けとめないといけないと思っています。その上で私自身は、よりよい県政をつくっていくことが最大の責務だと思っています」

真相解明はどうなるのか。一部の県議は「百条委員会の予定は白紙」としています。

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