浅草「住みたい街」で急上昇 “下町”に熱い視線のワケ 「みんな人が優しい」「愛がある」
31日、大手不動産サイトが発表した「住みたい町ランキング」で急上昇している町があります。それは観光地のイメージのある浅草です。いわゆる“下町”に熱い視線が注がれるワケを探りました。
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浅草には、31日も朝から…
スイスからの観光客
「お寺を見に来ました」
香港からの観光客
「これが着たくて。着物」
スペインからの観光客
「エンジョイ! エンジョイ! 浅草!」
いわずとしれた、日本屈指の観光地ですが、「『浅草に住みたい』と思ったことありますか?」と街で聞いてみました。
足立区在住(30代)
「観光地のイメージが強いので。住むイメージが湧かない」
このように話す人もいれば、最近、浅草周辺に引っ越したという人を発見しました。
浅草周辺に引っ越し(20代)
「先週引っ越してきました。中心部は外国の人とか多いけど、ちょっと外れれば住宅街なのですごく住みやすい」
実は今、東京では浅草をはじめとする下町エリアが、住みたい街として人気急上昇中なのです。
31日、大手不動産サイトが住みたい街ランキングを発表しました。「借りて住みたい街」ベスト3の本厚木、葛西、八王子はそれぞれ都心へのアクセスがよく、生活する上で便利、手頃な家賃で住める街がランクインしています。
一方、前回から大幅に順位を上げた浅草、門前仲町、北綾瀬に共通した特徴としては…
LIFULL HOME'S 総合研究所 中山登志朗副所長
「東京の都心部近くでいうと城東・城北エリアといわれる下町エリア。(賃料も)都心の中では比較的安価に設定されています」
「コロナが明けて昨年から本格的に都心回帰の流れが見えてきた。都心回帰しやすい場所に戻ってきているなという印象」
それぞれのワンルーム平均家賃は「浅草 約9万3000円」「門前仲町 約10万3000円」「北綾瀬 約6万8000円」です。(※LIFULL HOME'S 公式サイトより)
コロナ禍後、東京へ戻ったり新たに来たりする人たちの住まいとして、下町エリアが選ばれる傾向があるのではと分析しています。
その魅力について、生まれも育ちも浅草、40年以上住んでいる地元の人は…
浅草歴40年以上 地元の住民
「住みやすくていい。観光地は夜、人が少ない。(都心より)物価安いし。みんな人が優しい。すごく優しい」
浅草に戻ってきたという人もいます。
浅草に戻ってきた人(37)
「(新型コロナ前)4年間住んでいて、子どもできたしコロナだし、じゃあ田舎行こう」
子どものことを思い、コロナ禍を千葉で過ごしたという男性。去年7月、再び浅草へ戻ってきました。
浅草に戻ってきた人(37)
「理由は直感です。愛があります、街に」
戻ってきて“気づいたこと”もありました。
浅草に戻ってきた人(37)
「住んでいる人が増えています。『最近引っ越してきた』って聞きます。若いです、若いです。20代前半とか』
住む街としても、にぎわい始めているようです。
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今後、注目の下町エリアもあります。買って住みたい街の急上昇ランキング3位となったのが、“もんじゃの街”月島です。下町情緒あふれるこの町で今、進められているのがタワーマンションの建設です。
地上58階建て、販売価格は最低でも1億円以上の高級タワーマンション。2年後に完成を予定しています。どのような部屋なのでしょうか。
住友不動産 小田利徳主任
「リビングダイニングが18.5帖(じょう)。天井の高さ(最高で)2m60cm」
今月、一部の部屋の販売を開始。すでに多くの契約が入っているといいます。
住友不動産 小田利徳主任
「地域に根付いたお店がすでにそろっている街なので、この先便利になる街でなく、すでに便利な街に住むことができるのは月島の街の魅力」
LIFULL HOME'Sによると、下町エリアの人気は今後2~3年程度続く見込みだということです。