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農作物に被害「特定外来生物」ヌートリアの生息範囲拡大か 目撃・捕獲数が増加

2022年9月13日 20:04
農作物に被害「特定外来生物」ヌートリアの生息範囲拡大か 目撃・捕獲数が増加

全国18府県で生息が確認されている「南米原産の外来種」、ネズミの仲間ヌートリアの生息範囲が拡大している可能性があります。静岡県の浜松市でも近年、目撃情報や捕獲数が増えていて、捕獲業者は今後、東京など関東地方にも姿を見せるのではと指摘をしています。

   ◇

13日午前、静岡県浜松市でワナにかかっていたのは、川などの水辺で生活する「南米原産の外来種」、ヌートリアです。

浜松市から捕獲依頼を受けたRoots Japan・岡本浩明さん
「後ろ足に水かきがついているんですよ」

市から捕獲を依頼されている業者に同行すると…

記者
「いた!またいましたね!」

浜松市から捕獲依頼を受けたRoots Japan・岡本浩明さん
「成獣ですけど、普通ぐらいですかね。大きくなると8キロとか、20キロ近いものも」

およそ7時間後にも、別のヌートリアがワナにかかっていました。

   ◇

ネズミの仲間で、大きいものだと体長70センチほどあるというヌートリア。食欲旺盛で農作物を食い荒らすため、「特定外来生物」に指定されていて、全国での農業被害額は年間で5000万円近くに上っています。

記者
「前歯がオレンジ色で特徴的ですね」

被害にあったレンコンには、するどい歯でかじられた跡が残っていました。

浜松市から捕獲依頼を受けたRoots Japan・岡本浩明さん
「これ、しっぽの跡です。これが足跡で」

田んぼのすぐ近くにも痕跡が残っていました。

米農家
「稲が大きくなると根元を切られる。これは稲になってから食べられちゃったのでダメですよね」

農家だけでなく、家庭菜園にも被害が出ていました。

野菜を栽培する人
「とろうと思ったら、こんなかじられてるじゃないと。なんとかならないかなと思うけど」

実りの秋に深刻な影響を及ぼすヌートリア。各地で姿を見せています。

記者(大阪城、2015年)
「いました!ヌートリアです!いま、外堀の水の中を気持ちよさそうに泳いでいます」

観光地・大阪城のお堀で自由気ままに泳ぐ姿も確認されています。
18府県に生息し、埼玉県でも確認されているヌートリア。主に関西地方を中心に目撃が相次いでいますが、いま、関西以外にもその影が広がり、静岡県浜松市では近年、目撃情報や捕獲数が急増しています。

■静岡・浜松市
2020年度 目撃数: 41件 捕獲数: 35匹
2021年度 目撃数:229件 捕獲数:117匹

2022年度もすでに60匹ほどが捕獲されているんです。

浜松市から捕獲依頼を受けたRoots Japan・岡本浩明さん
「正直、捕獲が追いついてない状況ですね。1年2年という単位ではないんでしょうけれども、もうちょっと長い時間をかけて東の方に行くことは間違いないでしょうね。関東圏内も十分に生息環境としては適しているんじゃないですか」

関東地方でも今後、見かけることが増える可能性があるということです。

ヌートリアは捕獲に免許が必要なため、見つけても近づかず、連絡するように自治体は求めています。

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