暦の上では「立春」だけど…各地で寒い一日 4日夜から雪降る場所も
4日は「立春」。暦の上では春を迎える一方で、新型コロナウイルスの拡大はいまだ減少する兆しが見えません。35の都道府県に出されているまん延防止等重点措置が、今月下旬まで延長される案も出ています。
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4日午後2時ごろ、東京都の小池知事は会見で危機感を示しました。
小池都知事
「この2日間、新規陽性者数は2万人超え、重症者数がじわじわと増加しているというのが現状です。今後もこの傾向が続きますと、都民の皆様の命、暮らし、多大な影響を及ぼす可能性が…」
東京など13都県のまん延防止等重点措置の期限は、9日後の今月13日です。政府内では、“今の指標では解除は難しい”などと、延長論が強まっています。延長の幅については、5日から適用される和歌山県にあわせて「今月27日まで」とする案が出ていて、3連休前の来週木曜日までに方針を決めることにしています。
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3日の全国の感染者数が10万人に迫る中、保健所業務のひっ迫により事業所に判断を委ねる対応も広がっています。愛媛県の松山市保健所は、4日から濃厚接触者の特定を同居する家族や医療機関などに限定。事業所の場合は、勤務先が判断することになりました。
市内にある従業員およそ60人のタクシー会社は…
松山第一交通 一色道則所長
「とにかく分散して密にならないことと、離れてそれぞれ食事・喫煙するということを。きめ細かくお願いしていかざるを得ないかなと」
自己判断を求められるケースが増え、濃厚接触者がタクシーを使って医療機関に行く機会が増える可能性もあります。どう対応すればいいか、不安を口にしていました。
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4日、国会で専門家は流行のピークを越えても、高齢者の感染がしばらく続くことから、3回目のワクチン接種をさらに進めることが重要と話しました。
厚生労働省の専門家会議 脇田隆字座長
「若者世代の減少が始まりつつありますが、小児・高齢者などほかの世代でも減少傾向がないと、全体の減少にはつながらない」
3回目接種の加速化に向け、独自の取り組みを始める自治体も。山口県防府市では「コロナワクチン予約・相談センター」の係員が、電話で「券なしでの接種でよろしかったですかね」と確認していました。まだ接種券が届いてない人でも、6か月経過していれば、集団接種の予約を受け付けられるようにしました。
防府市新型コロナウイルス ワクチン接種対策室 永松勉室長
「『少しでも早く接種を受けたい』という声が寄せられていましたので、かなり電話が鳴りっぱなし、というような状況です」
山口・下松市の集団接種会場で接種を受けたのは、72歳の国井益雄市長。1・2回目はファイザー製ワクチンを接種しましたが、4日のモデルナ枠があいたため、交互接種を行いました。
下松市 国井益雄市長(72)
「ファイザー・ファイザー、3回目もファイザー…という人が多いようですけど、交互接種も効果があるので、ぜひ皆さんすすんで打ってほしい」
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4日は二十四節気の「立春」。暦の上では春となりますが、各地で寒い一日となりました。
長野の酒蔵では、立春に合わせて搾り上げた酒が出荷されました。新酒で春の訪れを祝う『立春朝搾り』。今年は疫病退散の願いも込められています。
宮島酒屋 宮島敏社長
「この疫病が収まるように、明るい時代がまたやってくるように…そんな思いで飲んでいただければと思います」
東京も、4日朝は毛布から出たくなくなる寒さに。都内のしながわ水族館では、バレンタインに向けたイベントが始まっています。習性を生かして、ハートのクッションを抱きしめるアザラシも。水族館では感染対策にも気を使っています。
しながわ水族館広報担当 清水雄矢さん
「ショーは、いつもより時間を短くしてお届けしている」
ショーの時間は、コロナ前の半分の、7分ほどだといいます。
近所から来た親子
「平日はがらがらで、ほぼ貸しきりなので、ショーも一番前で見られてよかったです」
こうした中、4日夜からは警報級の大雪となるおそれが。平地でも雪となる可能性も──
4日朝、冷え込みが強まった新潟市内。4日夜から日本海側を中心に大雪となるおそれがあり、名古屋など太平洋側の平地でも雪の降る所がある予想です。
大雪などによる交通障害に警戒が必要です。